今日も、某質問サイトで見つけた問題。
(a) 任意の線型写像 $f : \mathbb{R} \to \mathbb{R}$ に対して次を示せ.
$f$ : 全射 $\iff$ $f$ : 単射
(b) 任意の線型写像$f : \mathbb{R}^2 \to \mathbb{R}^2$ に対して次を示せ.
$f$ : 全射 $\iff$ $f$ : 単射
(a) について, まずは以下の補題を証明する.
Lemma.1
$f : \mathbb{R}\to\mathbb{R}$ が線型写像のとき,
$f(\alpha)=0$ ならば $\alpha=0$ または $f(x)=0$ (恒等写像)である.
Proof of Lemma.1
$\forall\alpha\in\mathbb{R}\setminus\{0\}$ に対し, $f(\alpha)=0$ であるとすると,
$\forall\beta\in\mathbb{R}\setminus\{0\}$, $\exists k\in\mathbb{R}\setminus\{0\}$, s.t. $\beta=k\alpha$ が成り立つ.
これより
$f(\beta)=f(k\alpha)=kf(\alpha)=0$
を得るので, $f(x)=0$ となる.
これを用いて (a) を証明する.
$f$ が全射であると仮定する.
このとき, $x_1$, $x_2 \in \mathbb{R}$ に対して $f(x_1)=f(x_2)$ であると仮定すると, $f$ は線型写像なので
$f(x_1) = f(x_2)$
$f(x_1)-f(x_2)=0$
$f(x_1-x_2)=0$
$f$ は全射であるので恒等写像ではない, よって
$x_1-x_2=0$
$x_1=x_2$
となるので $f$ は単射である.
$f$ が単射であると仮定する.
線型写像であるので, $f(0)=0$ である.
ここで, $x\in\mathbb{R}\setminus\{0\}$ とすると $f$ は単射であるので $f(x)\neq0$ である.
$f(x)=\alpha$ とすると, $\forall \beta\in\mathbb{R}\setminus\{0\}$ に対し $\exists k\in\mathbb{R}\setminus\{0\}$ が存在し, $\beta=k\alpha$ となる.
これより, $\forall y\in\mathbb{R}$ に対し $\exists x\in\mathbb{R}$ が存在し, $f(x)=y$ が成り立つ.
よって $f$ は全射である.
(b) を証明する.
まず, $f$ が単射かつ線型写像のとき, $<\alpha_1, \alpha_2>=\mathbb{R}^2$ ならば $<f(\alpha_1), f(\alpha_2)>=\mathbb{R}^2$ である事を示す.
$f(\alpha_1)$, $f(\alpha_2) \in \mathbb{R}^2$ であるので, これらが一次独立であることを示す.
$k_1f(\alpha_1)+k_2f(\alpha_2)=0$ とすると, $f$ は線型写像なので
$f(k_1\alpha_1)+f(k_2\alpha_2)=0$
$f(k_1\alpha_1+k_2\alpha_2)=0$
であり, $f$ は単射なので
$k_1\alpha_1+k_2\alpha_2=0$,
$\alpha_1$, $\alpha_2$ は $\mathbb{R}^2$ の基底であるので一次独立, よって $k_1=k_2=0$ となるので $f(\alpha_1)$ と $f(\alpha_2)$ は一次独立である.
よって $f(\alpha_1)$, $f(\alpha_2)$ は基底である.
$\forall y\in\mathbb{R}^2=<f(\alpha_1), f(\alpha2)>$ とすると,
$\exists k_1$, $k_2\in\mathbb{R}$ が存在し,
$y=k_1f(\alpha_1)+k_2f(\alpha_2)$
と表すことができる.
$f$ は線型写像なので
$y=k_1f(\alpha_1)+k_2f(\alpha_2)$
$=f(k_1\alpha_1+k_2\alpha_2)$
が成り立つ.
ここで $k_1\alpha_1+k_2\alpha_2\in<\alpha_1, \alpha_2>$ となるので, $f$ は全射である.
$f$ が全射であると仮定する.
すると, $(1, 0), (0, 1)\in\mathbb{R}^2$ に対し $f(\beta_1)=(1, 0)$, $f(\beta_2)=(0, 1)$ となる $\beta_1$, $\beta_2\in\mathbb{R}^2$ が存在する.
このとき, $<\beta_1, \beta_2>=\mathbb{R}^2$ であることを示す.
$k_1\beta_1+k_2\beta_2=0$ とすると, $f$ は線型写像なので
$f(k_1\beta_1+k_2\beta_2)=f(0)=0$
$k_1f(\beta_1)+k_2f(\beta_2)=0$
$(k_1, k_2)=(0, 0)$
であるので, $k_1=k_2=0$ を得るので, $\beta_1$, $\beta_2$ は一次独立である,
即ち $<\beta_1, \beta_2>=\mathbb{R}^2$ である.
Lemma.2
$f(\alpha)=0$ のとき, $\alpha=0$ である.
Proof of Lemma.2
$\alpha\in\mathbb{R}^2$ に対し, $f(\alpha)=0$ とする.
ある $k_1$, $k_2\in\mathbb{R}$ に対し $\alpha=k_1\beta_1+k_2\beta_2$ と表すことができる.
これより
$f(k_1\beta_1+k_2\beta_2)=0$
$k_1f(\beta_1)+k_2f(\beta_2)=0$
$(k_1, k_2)=(0, 0)$
となるので, $k_1=k_2=0$ である.
よって, $\alpha=0$ である.
$\alpha_1$, $\alpha_2\in\mathbb{R}^2$ に対し, $f(\alpha_1)=f(\alpha_2)$ が成り立つとすると,
$f(\alpha_1)-f(\alpha_2)=0$
$f(\alpha_1-\alpha_2)=0$
Lemma.2 より
$\alpha_1-\alpha_2=0$
$\alpha_1=\alpha_2$
を得る.
よって, $f$ は単射である.
なんか、大学生のときはコレくらいの証明はサラッとできてた気がするんだけど・・・
時間が経つと、忘れるものですね・・・
でも、久しぶりに線形代数とかやってみて、楽しかった。
(b) 任意の線型写像$f : \mathbb{R}^2 \to \mathbb{R}^2$ に対して次を示せ.
$f$ : 全射 $\iff$ $f$ : 単射
(a) について, まずは以下の補題を証明する.
Lemma.1
$f : \mathbb{R}\to\mathbb{R}$ が線型写像のとき,
$f(\alpha)=0$ ならば $\alpha=0$ または $f(x)=0$ (恒等写像)である.
Proof of Lemma.1
$\forall\alpha\in\mathbb{R}\setminus\{0\}$ に対し, $f(\alpha)=0$ であるとすると,
$\forall\beta\in\mathbb{R}\setminus\{0\}$, $\exists k\in\mathbb{R}\setminus\{0\}$, s.t. $\beta=k\alpha$ が成り立つ.
これより
$f(\beta)=f(k\alpha)=kf(\alpha)=0$
を得るので, $f(x)=0$ となる.
これを用いて (a) を証明する.
$f$ が全射であると仮定する.
このとき, $x_1$, $x_2 \in \mathbb{R}$ に対して $f(x_1)=f(x_2)$ であると仮定すると, $f$ は線型写像なので
$f(x_1) = f(x_2)$
$f(x_1)-f(x_2)=0$
$f(x_1-x_2)=0$
$f$ は全射であるので恒等写像ではない, よって
$x_1-x_2=0$
$x_1=x_2$
となるので $f$ は単射である.
$f$ が単射であると仮定する.
線型写像であるので, $f(0)=0$ である.
ここで, $x\in\mathbb{R}\setminus\{0\}$ とすると $f$ は単射であるので $f(x)\neq0$ である.
$f(x)=\alpha$ とすると, $\forall \beta\in\mathbb{R}\setminus\{0\}$ に対し $\exists k\in\mathbb{R}\setminus\{0\}$ が存在し, $\beta=k\alpha$ となる.
これより, $\forall y\in\mathbb{R}$ に対し $\exists x\in\mathbb{R}$ が存在し, $f(x)=y$ が成り立つ.
よって $f$ は全射である.
(b) を証明する.
まず, $f$ が単射かつ線型写像のとき, $<\alpha_1, \alpha_2>=\mathbb{R}^2$ ならば $<f(\alpha_1), f(\alpha_2)>=\mathbb{R}^2$ である事を示す.
$f(\alpha_1)$, $f(\alpha_2) \in \mathbb{R}^2$ であるので, これらが一次独立であることを示す.
$k_1f(\alpha_1)+k_2f(\alpha_2)=0$ とすると, $f$ は線型写像なので
$f(k_1\alpha_1)+f(k_2\alpha_2)=0$
$f(k_1\alpha_1+k_2\alpha_2)=0$
であり, $f$ は単射なので
$k_1\alpha_1+k_2\alpha_2=0$,
$\alpha_1$, $\alpha_2$ は $\mathbb{R}^2$ の基底であるので一次独立, よって $k_1=k_2=0$ となるので $f(\alpha_1)$ と $f(\alpha_2)$ は一次独立である.
よって $f(\alpha_1)$, $f(\alpha_2)$ は基底である.
$\forall y\in\mathbb{R}^2=<f(\alpha_1), f(\alpha2)>$ とすると,
$\exists k_1$, $k_2\in\mathbb{R}$ が存在し,
$y=k_1f(\alpha_1)+k_2f(\alpha_2)$
と表すことができる.
$f$ は線型写像なので
$y=k_1f(\alpha_1)+k_2f(\alpha_2)$
$=f(k_1\alpha_1+k_2\alpha_2)$
が成り立つ.
ここで $k_1\alpha_1+k_2\alpha_2\in<\alpha_1, \alpha_2>$ となるので, $f$ は全射である.
$f$ が全射であると仮定する.
すると, $(1, 0), (0, 1)\in\mathbb{R}^2$ に対し $f(\beta_1)=(1, 0)$, $f(\beta_2)=(0, 1)$ となる $\beta_1$, $\beta_2\in\mathbb{R}^2$ が存在する.
このとき, $<\beta_1, \beta_2>=\mathbb{R}^2$ であることを示す.
$k_1\beta_1+k_2\beta_2=0$ とすると, $f$ は線型写像なので
$f(k_1\beta_1+k_2\beta_2)=f(0)=0$
$k_1f(\beta_1)+k_2f(\beta_2)=0$
$(k_1, k_2)=(0, 0)$
であるので, $k_1=k_2=0$ を得るので, $\beta_1$, $\beta_2$ は一次独立である,
即ち $<\beta_1, \beta_2>=\mathbb{R}^2$ である.
Lemma.2
$f(\alpha)=0$ のとき, $\alpha=0$ である.
Proof of Lemma.2
$\alpha\in\mathbb{R}^2$ に対し, $f(\alpha)=0$ とする.
ある $k_1$, $k_2\in\mathbb{R}$ に対し $\alpha=k_1\beta_1+k_2\beta_2$ と表すことができる.
これより
$f(k_1\beta_1+k_2\beta_2)=0$
$k_1f(\beta_1)+k_2f(\beta_2)=0$
$(k_1, k_2)=(0, 0)$
となるので, $k_1=k_2=0$ である.
よって, $\alpha=0$ である.
$\alpha_1$, $\alpha_2\in\mathbb{R}^2$ に対し, $f(\alpha_1)=f(\alpha_2)$ が成り立つとすると,
$f(\alpha_1)-f(\alpha_2)=0$
$f(\alpha_1-\alpha_2)=0$
Lemma.2 より
$\alpha_1-\alpha_2=0$
$\alpha_1=\alpha_2$
を得る.
よって, $f$ は単射である.
なんか、大学生のときはコレくらいの証明はサラッとできてた気がするんだけど・・・
時間が経つと、忘れるものですね・・・
でも、久しぶりに線形代数とかやってみて、楽しかった。
0 件のコメント:
コメントを投稿