ベクトルの内積とは

再度、某知恵袋で見つけた質問に対する私なりの解答。




ベクトルの内積の概念がわかりません、、、、
教えてください





確かに、ベクトルを学んでいるときに、突然内積が登場し、ただただ計算だけをしているような印象を受け、内積の正体が分かりにくい。
分かりにくいというよりも、大した説明が存在していない。

そこで、私なりの考えをまとめてみた。



まず、数学的な意味について。

高校数学において, 内積の定義は $2$ つのベクトル $\overrightarrow{a}$, $\overrightarrow{b}$ のなす角を $\theta$ とすると,
$\overrightarrow{a}\cdot\overrightarrow{b}=|\overrightarrow{a}||\overrightarrow{b}|\cos\theta$
と定義される.
ここから導かれる定理として, $\overrightarrow{a}=(a_1, a_2, \dots, a_n)$, $\overrightarrow{b}=(b_1, b_2, \dots, b_n)$ に対して
$\overrightarrow{a}\cdot\overrightarrow{b}=\sum_{i=1}^na_ib_i$
が成り立つことが分かる.

ただし, 数学では実際には逆に考えることが多い.
凡人には想像しにくい $n$ 次元空間を考えるとき, その空間内の $2$ つのベクトルのなす角 $\theta$ を求める為に用いる.


$4$ 次元以上の空間なんて, 基本的には分かる人はほとんどいない...
超一流の研究者の中には $6$ 次元空間くらいまでは理解できる, って人もいるみたいですが...

$4$ 次元目は縦, 横, 高さの次は何ですか ?
なんて質問も飛んできそうですが, そもそもそんな考え方をしている時点で $4$ 次元空間を見ることができない.


あまり深い考え方をしないで, $n$ 次元空間というのは, 数学では座標の個数が $n$ 個ある, というだけである.
この高次元のベクトルに対して, なす角 $\theta$ を
$\cos\theta = \frac{\overrightarrow{a}\cdot\overrightarrow{b}}{|\overrightarrow{a}||\overrightarrow{b}|}$
で定義する.


このように定義することで, Kissing Number Problem などの高次元空間に関する問題を扱うことができるようになる.



また, 平面図形では三角比で学んだ余弦定理を, 計算のみで証明することができる.
$a^2= \mathrm{BC}^2$
$=(\overrightarrow{c}-\overrightarrow{b})^2$
$=\overrightarrow{c}\cdot\overrightarrow{c}-2\overrightarrow{b}\cdot\overrightarrow{c}+\overrightarrow{b}\cdot\overrightarrow{b}$
$= |\overrightarrow{c}|^2-2|\overrightarrow{b}||\overrightarrow{c}|\cos A+|\overrightarrow{b}|^2$
$=c^2-2bc\cos A+b^2$




数学的な意味というといろいろと考えられるが, 物理学的な意味合いも少し触れておく.

床に置かれた物体に $F$ (N) の力を加えて $s$ (m) 移動させたとき, その仕事 $W$ (J) は
$W=Fs$
で得られる.
だが, この``移動方向''と``力''の向きが異なるとき, 内積を用いて``向きを揃える''ことができるので, 計算が簡単になる.

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