指数の階乗と階乗の指数

夏休みも終わり、本日は全校集会。
そして4校時からは課題テストを3教科。
しかも、普段の授業の担当者をほぼそのまま試験監督に当ててるので、
私は午後の5、6校時に連続で試験監督になってました。


そんな試験が終わって、放課後はエクセルとにらめっこ。
本校は全国的にも珍しい、授業も2期制でやってます。
全国的にも、2期制の学校は多くなってきましたが、
それは3学期制のときと何が違うかというと、
「テストと始業式・終業式」が少なくなるだけ。
授業時間数を確保するために2期制にする、という学校も多いが、
本校は本当の2期制となっているのです。
つまり、前期だけの授業とか、後期だけの授業とかもあるのです。


って事で、教務としては色々と大変なのですが、
私が最も困っていることというと・・・


教務の担当なのですが、時間割を年2回も組む・・・


ただ組むだけでも面倒なのに、本校は普通科と工業科があり、
さらに科を跨っての習熟度で国数英の授業がありまして・・・

縦にまとめて入る習熟度の授業と、
横にまとめて入る工業科の実習系の授業があって・・・

もう、このパズルを年に2回もやるなんて・・・
しかも、後期の時間割を組むのは、休み期間中ではない・・・

って事で最近は、空き時間はずっとエクセルと、
カリキュラム表とのにらめっこです・・・




さて、今日は某質問サイトで見つけた問題について。
今回は知恵袋ではなく、quoraで見つけた問題です。


$2^{100!}$ と $2^{100}!$ の大小を判別せよ。


これを最初にみたとき、まず考えたのが、指数になっている問題なので、対数をとれば・・・

\begin{align*}
\log_a2^{100!} &= 100!\log_a2 & \log_a2^{100}! &= \cdots
\end{align*}

ところが、対数をとっても、そんなに簡単にはならなかった。
指数をとってからの階乗なので、対数をとっても・・・

って事で対数をとらずに調べてみることにした。



$2^{100}! = 1 \times 2 \times 3 \times 4 \times 5 \times 6 \times 7 \times 8 \times 9 \times \cdots \times (2^{100}-2) \times (2^{100}-1) \times 2^{100}$
$< 1 \times 2 \times 4 \times 4 \times 8 \times 8 \times 8 \times 8 \times 16 \times \cdots \times 2^{100} \times 2^{100} \times 2^{100}$
$= 1 \times 2^1 \times 4^2 \times 8^4 \times 16^8 \times \cdots \times (2^{99})^{2^{98}} \times (2^{100})^{2^{99}}$
$= 1 \times 2^{1\times2^0} \times 2^{2\times2^1} \times 2^{3\times2^2} \times 2^{4\times2^3} \times \cdots \times 2^{99\times2^{98}} \times 2^{100\times2^{99}}$
$= 2^{1 \times 2^0 + 2 \times 2^1 + 3 \times 2^2 + 4 \times 2^3 + \cdots + 99 \times 2^{98} + 100 \times 2^{99}} = (*)$

ここで,
$S=\displaystyle\sum_{k=1}^{100}k2^{k-1}$
とおくと,
$
\begin{array}{rcrrrrrrr}
S & = & 1 \times 2^0 & + 2 \times 2^1 & + 3 \times 2^2 & + \cdots & + 99 \times 2^{98} & + 100 \times 2^{99} & \\
-) 2S & = & & 1 \times 2^1 & + 2 \times 2^2 & + \cdots & + 98 \times 2^{98} & + 99 \times 2^{99} & + 100 \times 2^{100} \\
\hline
-S & = & 2^0 & + 2^1 & + 2^2 & +\cdots & + 2^{98} & + 2^{99} & -100 \times 2^{100}
\end{array}
$
$-S = 2^{100}-1 - 100\times2^{100}$
$S = 99 \times 2^{100}+1$
であるので,
$(*) = 2^{99 \times 2^{100}+1}$
$< 2^{128 \times 2^{100}}$
$= 2^{2^7 \times 2^{100}}$
$= 2^{2^{107}}$.


同様に,
$100! = 1 \times 2 \times 3 \times 4 \times 5 \times 6 \times 7 \times 8 \times 9 \times \cdots \times 63 \times 64 \times \cdots \times 100$
$> 1 \times 2 \times 2 \times 2^2 \times 2^2 \times 2^2 \times 2^2 \times 2^3 \times 2^3 \times \cdots \times 2^5 \times 2^6 \times \cdots \times 2^6$
$= 1 \times 2^{1\times2^1} \times 2^{2\times2^2} \times 2^{3\times2^3} \times 2^{4\times2^4} \times 2^{5\times2^5} \times 2^{6\times37}$
$= 2^{480}$
である.

以上より,
$2^{100}! < 2^{2^{107}} < 2^{2^{480}} < 2^{100!}$
である.



三角比

四字熟語で、「已己巳己」というのがある。

読み方としては、「いこみき」なのだが・・・

意味としては、字形が似ていることから、互いに似ているものの例え、らしいのだが・・・


冷静に考えて、3文字じゃね??


2文字目と4文字目、同じ字じゃないですか。

だったら、三字熟語でいいんじゃないの??

門、間、問、聞あたりを並べて四字熟語にした方がいいのでは??
なんて思ってしまうのは、私だけなのでしょうか??

個人的には、数学をやってたからか、住所を手書きするときに、
“郡”を書こうとしても“群”と書いてしまうのですが・・・






今日は知恵袋の問題。
三角比を使った、よくある感じの問題ですね。


$\triangle\mathrm{ABC}$ において $\mathrm{AB}=4$, $\mathrm{AC}=5$, $\angle\mathrm{BAC}=60^\circ$ である. 次の問に答えよ.

(1) 辺 BC の長さを求めよ.
(2) $\triangle\mathrm{ABC}$ の外接円の半径を求めよ.
(3) $\triangle\mathrm{ABC}$ の外接円の中心を O とする. 点 O から辺 BC に下ろした垂線を OD, 頂点 A から辺 BC に下ろした垂線を AE とする. このとき, 線分 DE の長さを求めよ.



(1) 余弦定理より、
$\mathrm{BC}^2=\mathrm{AB}^2+\mathrm{AC}^2-2\times\mathrm{AB}\times\mathrm{AC}\times\cos\angle\mathrm{BAC}$
$=4^2+5^2-2\times4\times5\times\frac12$
$=16+25-20$
$=21$
$\mathrm{BC}=\sqrt{21}$.

(2) 求める半径を $R$ とすると, 正弦定理より,
$2R=\frac{\mathrm{BC}}{\sin\angle\mathrm{BAC}}$
$=\frac{\sqrt{21}}{\frac{\sqrt3}2}$
$=2\sqrt7$.

(3) O は外接円の中心なので, D は辺 BC の中点である. これより,
$\mathrm{BD}=\frac12\times\mathrm{BC}$
$=\frac{\sqrt{21}}{2}$.

正弦定理より
$\frac{\mathrm{BC}}{\sin\angle\mathrm{BAC}}=\frac{\mathrm{AC}}{\sin\angle\mathrm{ABC}}$
$\sin\angle\mathrm{ABC}=\frac{\mathrm{AC}}{\mathrm{BC}}\sin\angle\mathrm{BAC}$
$=\frac{5}{\sqrt{21}}\times\frac{\sqrt3}{2}$
$= \frac{5}{2\sqrt7}$
相互関係より
$\cos\angle\mathrm{ABC}=\sqrt{1-\sin^2\angle\mathrm{ABC}}$
$=\sqrt{1-\frac{25}{28}}$
$=\sqrt{\frac{3}{28}}$
$=\frac{\sqrt3}{2\sqrt7}$
であるので,
$\mathrm{BE}=\mathrm{AB}\cos\angle\mathrm{ABC}$
$= 4 \times \frac{\sqrt3}{2\sqrt7}$
$= \frac{2}{7}\sqrt{21}$.

よって, 線分 DE の長さは
$\mathrm{DE}=\mathrm{BD}-\mathrm{BE}$
$=\frac12\sqrt{21}-\frac27\sqrt{21}$
$=\frac{3}{14}\sqrt{21}$.








最小多項式

部活で使う団扇がある。
何の競技かは言わないが、タイムアウトをとったときに、選手を扇いだり、それ以外の時間でも暑いときは私が扇いだり・・・

って事で使ってるチームの団扇があるのだが、それがそろそろ限界になってるモノが多くて・・・

チームロゴを印刷した紙を貼ってるので、オリジナルの団扇なのだが、仰ぐ度にパカパカ音が鳴ったり、プラスチックの取手がそろそろ折れるのではないかと思えるものもあったり。


そんなわけで、最近になって作り変える為に動き出しました。
無料で貰ってきた団扇の紙を剥いで骨組みのみにして、そこに新しく貼り直して・・・

って考えていたのですが、そもそも団扇がない・・・


以前は家電量販店なんかに行けばいくらでも団扇を貰えたものなのですが、最近って、全然おいてないんですね・・・

って事で、部活の保護者に相談していたら、前保護者会長から「うち(の会社)にいっぱいあるよ」と。

そんな事で、大量に貰いました。

まだまだ普通に使えそうな、ちゃんとした団扇だったのですが、これは使えない、と。
某自動車メーカーの営業所長なのですが、昔に配っていた団扇なのですが、とあるタレントさんを起用していた時代のもので、そのタレントさんとの契約が切れた現在では、そのタレントさんの顔が写ってるこの団扇はもう配れない、とのこと。

そんなわけで、数えてみたら、51枚の団扇をいただきました。
とりあえずは15枚くらい作ってみて、残りは年々作っていくようにしようかな。

それにしても、団扇の紙を剥がす作業がメンドクサイ。
なんて思いながら、部活中に暇があったので、私も剥がしていたのですが・・・

なんか、他に使うことのない技術を覚えて、だいぶキレイに、効率的に剥がせるようになってしまいました。
ポイントは、表面(1枚目)は隙間にカッターナイフの刃を入れて、グリグリと捻りながら剥がしていく、裏面(2枚目)はカッターナイフで端っこを剥がしたら、あとは指で骨を押し下げて剥がしていく、という感じですね。

みなさんも、やるときがあったらお試しください。





話は変わって、今日は最小多項式の話。

Wikipedia:最小多項式_(体論)あたりを見るとちゃんと定義されているのだが、体論の話になっているので、ハッキリ言うと非常に分かりにくい・・・

って事で、高校レベルでも分かるように説明すると・・・

代数的数(有理数と、有理数に累乗根がついたものを足したりしたもの) $\alpha$ を代入して $0$ になる多項式のうち、最小次数で最高次係数が $1$ の多項式のことを $\alpha$ の最小多項式という。


こんなことを言われても・・・
って思うところなので、具体例で考えてみる。


$3$ の最小多項式は $x-3$ である。

$\frac35$ の最小多項式は $x-\frac35$ である。

$\sqrt2$ の最小多項式は $x^2-2$ である。


それで何なんだ、と言われそうであるが、以下の問題をみてみる。



$a=\frac{3-\sqrt5}{2}$ のとき, $a^3$, $a^4-2a^3-2a^2+5a+1$ の値を求めよ.
(2018 近畿大・理工, 薬, 工)



この問題を解く際に、最小多項式のことを知らないと、

$a^3=\left(\frac{3-\sqrt5}{2}\right)^3$
$=\frac{(3-\sqrt5)^3}{8}$
$=\frac{27-27\sqrt5+45-5\sqrt5}{8}$
$=\frac{72-32\sqrt5}{8}$
$=9-4\sqrt5$

という力技で計算をし、更には

$a^4-2a^3-2a^2+5a+1$
$=\left(\frac{3-\sqrt5}2\right)^4-2\times\left(\frac{3-\sqrt5}2\right)^3-2\times\left(\frac{3-\sqrt5}2\right)^2+5\times\frac{3-\sqrt5}2+1$

となって、これを計算していくのだが・・・

ちょっと面倒くさいことになっている・・・

そこで、$a$ の最小多項式を求めてみる。

$a=\frac{3-\sqrt5}2$
$2a=3-\sqrt5$
$2a-3=-\sqrt5$
$(2a-3)^2=(-\sqrt5)^2$
$4a^2-12a+9=5$
$4a^2-12a+4=0$
$a^2-3a+1=0$

より、$a$ の最小多項式は $x^2-3x+1$ である。

今回、最小多項式自体は必要ないのだが、その手前で出てきた

$a^2-3a+1=0$

が非常に重要な式である。

この式から、

$a^2-3a+1=0$
$a^2=3a-1$
$a^3=3a^2-a$
$a^4=3a^3-a^2$

を得る。
これより,

$a^3=3a^2-a$
$=3(3a-1)-a$
$=8a-3$
$=8\times\frac{3-\sqrt5}{2}-3$
$= 12-4\sqrt3-3$
$= 9-4\sqrt3$

$a^4-2a^3-2a^2+5a+1$
$= 3a^3-a^2-2a^3-2a^2+5a+1$
$= a^3-3a^2+5a+1$
$= 3a^2-a-3a^2+5a+1$
$= 4a+1$
$= 4\times\frac{3-\sqrt5}2+1$
$= 6-2\sqrt5+1$
$= 7-2\sqrt5$

である。

もしくは、数学IIで学んだ割り算の筆算

\[
\begin{array}{rcrrrrr}
 & & a^2 & +a & & & \\
a^2-3a+1 & ) & a^4 & -2a^3 & -2a^2 & +5a & +1 \\
 & & a^4 & -3a^3 & +a^2 & & \\
 & & & a^3 & -3a^2 & +5a & \\
 & & & a^3 & -3a^2 & +a & \\
 & & & & & 4a & +1
\end{array}
\]
(Blogのシステムの都合上、部分的な横線が引けないので省略しています)

より、

$a^4-2a^3-2a^2+5a+1=(a^2-3a+1)(a^2+a)+4a+1$

である。
ここで、$a^2-3a+1=0$ であったので、

$a^4-2a^3-2a^2+5a+1=4a+1$
$= 4\times\frac{3-\sqrt5}2+1$
$= 7-2\sqrt5$

である。