最上級では2012年の数オリ予選とか、2018年の新春の問題とか、思いつくものは色々とあるのですが、授業には適していないレベルの問題ですから・・・
不定方程式の問題を、もう1題ほど出題しようかと思います。
話は変わり、Bertrand's postulate の証明の続きの続きの続きの続き。
だいぶ長くなってきましたが、今回で終了です。
ここまで使ってきた関数の定義を確認する.
$\Lambda(n) =
\begin{cases}
\log p & (n = p^k, p は素数) \\
0 & (上以外)
\end{cases}$
$\psi(x) = \displaystyle\sum_{n \le x}\Lambda(n)$
素数 $p$ に対して
$\theta(x) = \displaystyle\sum_{p \le x}\log p$,
Proposition.3
$\psi(x) = \theta(x)+\theta(x^{\frac12})+\theta(x^{\frac13})+\cdots~~~~~\cdots (7)$
Proof.
左辺 $\psi(x)$ は $\log p_i$ の和である.
$p_i \le x$, $p_i^2 \le x$, $\dots$, $p_i^k \le x$, $p_i^{k+1}>x$
であるとき, $\log p_i$ の係数は $k$ である.
$p_i^k \le x < p_i^{k+1}$
$k \le \log_{p_i}x < k+1$
より, $k=[\log_{p_i}x]$ である.
同様に, 右辺 $\theta(x)+\theta(x^{\frac12})+\theta(x^{\frac13})+\cdots$ も $\log p_i$ の和である.
$p_i \le x$, $p_i \le x^{\frac12}$, $\dots$, $p_i \le x^{\frac1k}$, $p_i>x^{\frac1{k+1}}$
であるとき, $\log p_i$ の係数は $k$ である.
$x^{\frac{1}{k+1}} < p_i$ かつ $p_i \le x^{\frac1k}$
$x < p_i^{k+1}$ かつ $p_i^k \le x$より, $k=[\log_{p_i}x]$ である.
以上より, 成り立つ${}_{\square}$
これより,
$\psi(x)-2\psi(x^{\frac12}) = \theta(x)-\theta(x^{\frac12})+\theta(x^{\frac13})-\theta(x^{\frac14})+\cdots$
である. また,
$\theta(x^{\frac1i}) \ge \theta(x^{\frac1{i+1}})$
であり, $k>\log_2x$ のとき,
$2^k>x$
$2>x^{\frac1k}$
より, $\theta(x^{\frac1k})=0$ となるので,
$\psi(x)-2\psi(x^{\frac12}) = \theta(x)-\theta(x^{\frac12})+\theta(x^{\frac13})-\theta(x^{\frac14})+\cdots < \theta(x)$
$\psi(x)-2\psi(x^{\frac12}) < \theta(x)$
$\psi(x) < \theta(x)+2\psi(x^{\frac12})$
また,
$\psi(x) = \theta(x)+\theta(x^{\frac12})+\theta(x^{\frac13})+\theta(x^{\frac14})+\cdots$
より
$\psi(x) \ge \theta(x)$
である.
(5) より $\psi(x) \le x\log6$ であるので,
$\psi(x^{\frac12}) \le \sqrt{x}\log6$
である.
これらより,
$\psi(x)-\psi\left(\dfrac{x}{2}\right) < (\theta(x)+2\psi(x^{\frac12}))-\psi\left(\dfrac{x}{2}\right)$
$\le \theta(x)+2\psi(x^{\frac12})-\theta\left(\dfrac{x}{2}\right)$
$< \theta(x)-\theta\left(\dfrac{x}{2}\right)+2\sqrt{x}\log6$
であるので,
$\theta(x)-\theta\left(\dfrac{x}{2}\right)>\psi(x)-\psi\left(\dfrac{x}{2}\right)-2\sqrt{x}\log6$
(6) より $\psi(x)-\psi\left(\dfrac{x}{2}\right) \ge \dfrac{x}{3}\log\dfrac{4}{3} - \log 2(x+1)$ であるので,
$\psi(x)-\psi\left(\dfrac{x}{2}\right)-2\sqrt{x}\log6 \ge \dfrac{x}{3}\log\dfrac{4}{3} - \log 2(x+1) -2\sqrt{x}\log6$
であるので,
$\theta(x)-\theta\left(\dfrac{x}{2}\right) > \dfrac{x}{3}\log\dfrac{4}{3} - \log 2(x+1) -2\sqrt{x}\log6$
である.
ここから先は, 原文では因数分解をした上で近似値計算をしているのだが,
せっかくなので私にも簡単にできる別なやり方で確認する.
desmos で, $y=\dfrac{x}{3}\log\dfrac{4}{3}-\log2(x+1)-2\sqrt{x}\log6$ のグラフをかいてみると...
このようになっている.
このグラフの, $x$ 軸との共有点を調べると,
おおよそ $1559$ と $1560$ の間にもつことが分かる.
これ以降に共有点がないことを確認するには,
$y=\dfrac{x}{3}\log\dfrac{4}{3}-\log2(x+1)-2\sqrt{x}\log6$
$\dfrac{d}{dx}y=\dfrac13\log\dfrac43-\dfrac{1}{x+1}-\dfrac{\log6}{\sqrt{x}}$
$\dfrac{d^2}{dx^2}y = \dfrac{1}{(x+1)^2}+\dfrac{\log6}{2x\sqrt{x}}>0$
より, グラフは下に凸であることが分かるので, 共有点は($x=0$ を含めて)$2$ 個であるので, $x \ge 1560$ では $y>0$ であることが分かる.
では, $1 < x < 1560$ のときは成り立たないのか, というと,
証明の際には多数の不等式で評価をし続けてきたので, その分の誤差である.
ということは, その誤差があると, これでは証明にならないのか...
というと, そうではなく, 無限にあった確認しなくてはならない $x$ の範囲が,
高々有限個にまで減らすことができた, ということである.
なので, 残りは実際に素数があるかどうかを調べればよい.
例えば, $x$ の値に対して $x<p\le2x$ となる素数 $p$ を具体的に挙げると...
$1<x<2$ に対しては, 素数 $p=2$ が存在する.
$2\le x<3$ に対しては, 素数 $p=3$ が存在する.
$3\le x<5$ に対しては, 素数 $p=5$ が存在する.
$5\le x<7$ に対しては, 素数 $p=7$ が存在する.
$7\le x<13$ に対しては, 素数 $p=13$ が存在する.
実際に, 素数 $2$, $3$, $5$, $7$, $13$, $23$, $43$, $83$, $163$, $317$, $631$, $787$ がある.
以上より, Bertrand's postulate が成り立つ${}_{\square}$
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