対象式と漸化式

最近、勤務校の時間割をずっと組んでいたのですが、酷い悪夢にうなされまして・・・


毎日毎日、エクセルの画面上に、細かい授業コマが並んでいて、
それを移動させて時間割を作成していたのですが・・・

寝る前に、テトリス99の対戦動画(YouTube)なんかを見ちゃったりしたもんだから、
編集している時間割を、謎の対戦相手に攻撃されて、時間割がどんどん崩される、
という訳の分からん夢にうなされたり・・・

先週の金曜日に、後期から来る非常勤の先生から出た条件が、
突然の曜日条件が指定されて、しかもそれによって
持つことができない授業を他の先生に割り振ることになり・・・
その指示に従って名前を入れ直した結果、同じ時間に同じ人が被ってたり、
非常勤の先生の条件に合致していないコマがあったりすると、
条件付き書式により赤くなるようにしていたのですが・・・

赤いコマが、15~6個も発生してしまいまして・・・
変更する前は、残り1個まで減らしていたのに・・・

そんなわけで、先週の3連休は1人で職員室に引きこもり、
ずっとエクセルと格闘していたのですが・・・
連休が明けての火曜日に、22時間の授業を担当する
非常勤の先生が、家の都合で曜日に条件が加わって・・・

という、なんとも恐ろしい夢を月曜日の夜に見まして・・・
凄い寝汗をかいたのを覚えていました。


そんなこんなで、職業病ともいうべき悪夢にうなされたりもしましたが、
なんとか無事に時間割を作り上げることができました。

とはいえ、こんなことを半年に1回やる、なんてことは、流石に無駄が多い。
って事で、来年度からはやり方を変えないと、私も死んでしまう・・・





今日は、対象式の問題を解くときに、めんどくさいことになるのを避ける方法。
生徒から質問されたので、一緒に考えて作った解法です。


$x^2-3x-2=0$ の $2$ つの解を $\alpha$, $\beta$ とするとき,
以下の値を求めよ.

(1) $\alpha+\beta$
(2) $\alpha\beta$
(3) $\alpha^2+\beta^2$

これくらいなら、教科書に出てくる基本例題のレベル。

(1), (2)
解と係数の関係より,
$\alpha+\beta=-\frac{-3}{1}=3$
$\alpha\beta=\frac{-2}{1}=-2$.
(3)
$\alpha^2+\beta^2=(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta$
$= 3^2-2\times(-2) = 13$.


解と係数の関係とは・・・

$2$ 次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の解を $\alpha$, $\beta$ とすると,
$\alpha+\beta=-\frac{b}{a}$, $\alpha\beta=\frac{c}{a}$
が成り立つ.

というものである。
これを使うと (1), (2) は瞬殺できる。

(3) について、展開式
$\alpha^2+2\alpha\beta+\beta^2=(\alpha+\beta)^2$
より、移項すると
$\alpha^2+\beta^2=(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta$
を得る。


ここまではこれでいいのだが、次数が高くなったときに、どうするのか。

例えば、
(4) $\alpha^7+\beta^7$
なんていう問題が続いていた場合、どうするといいか。

まず考えつく解答として・・・

$(\alpha+\beta)^7=\alpha^7+7\alpha^6\beta+21\alpha^5\beta^2+35\alpha^4\beta^3+35\alpha^3\beta^4+21\alpha^2\beta^5+7\alpha\beta^6+\beta^7$
より、
$\alpha^7+\beta^7=(\alpha+\beta)^7-7\alpha\beta(\alpha^5+\beta^5)-21(\alpha\beta)^2(\alpha^3+\beta^3)-35(\alpha\beta)^3(\alpha+\beta)$
であるが、$\alpha^5+\beta^5$ とか、$\alpha^3+\beta^3$ とかは・・・

$(\alpha+\beta)^3=\alpha^3+3\alpha^2\beta+3\alpha\beta^2+\beta^3$
より
$\alpha^3+\beta^3=(\alpha+\beta)^3-3\alpha\beta(\alpha+\beta)$
$=3^3-3\times(-2)\times3=45$,

$(\alpha+\beta)^5=\alpha^5+5\alpha^4\beta+10\alpha^2\beta^3+10\alpha^2\beta^3+5\alpha\beta^4+\beta^5$
より
$\alpha^5+\beta^5=(\alpha+\beta)^5-5\alpha\beta(\alpha^3+\beta^3)-10(\alpha\beta)^2(\alpha+\beta)$
$=3^5-5\times(-2)\times45-10\times(-2)^2\times3=573$
であるので、
$\alpha^7+\beta^7=(\alpha+\beta)^7-7\alpha\beta(\alpha^5+\beta^5)-21(\alpha\beta)^2(\alpha^3+\beta^3)-35(\alpha\beta)^3(\alpha+\beta)$
$=3^7-7\times(-2)\times573-21\times(-2)^2\times45-35\times(-2)^3\times3$
$=7269$
である・・・

と言われても・・・

断じて、簡単ではない・・・
合っているか、自身がない・・・



そこで、漸化式を考える。
$(\alpha^n+\beta^n)(\alpha+\beta)=(\alpha^{n+1}+\beta^{n+1})+\alpha\beta(\alpha^{n-1}+\beta^{n-1})$
即ち
$\alpha^{n+1}+\beta^{n+1}=(\alpha+\beta)(\alpha^n+\beta^n)+\alpha\beta(\alpha^{n-1}+\beta^{n-1})$
より、$S_n=\alpha^n+\beta^n$ とおくと、
$S_{n+1}=(\alpha+\beta)S_n-\alpha\beta S_{n-1}$
という、$3$ 項間漸化式を得る.

漸化式が出てくると、特性方程式を解いて一般項を求め・・・
って考えがちであるが、そんなことをしても意味がない。
何故なら、一般項はすでに定義が分かっている通り・・・
$S_n=\alpha^n+\beta^n$
なわけですから・・・

そんなわけで、この漸化式を用いて、前述の (4) を解いてみると・・・

$\alpha+\beta=3$
$\alpha\beta=-2$
$\alpha^2+\beta^2=13$
であるので、

$\alpha^3+\beta^3=(\alpha+\beta)(\alpha^2+\beta^2)-\alpha\beta(\alpha+\beta)$
$=3\times13-(-2)\times3=45$

$\alpha^4+\beta^4=(\alpha+\beta)(\alpha^3+\beta^3)-\alpha\beta(\alpha^2+\beta^2)$
$=3\times45-(-2)\times13=161$

$\alpha^5+\beta^5=(\alpha+\beta)(\alpha^4+\beta^4)-\alpha\beta(\alpha^3+\beta^3)$
$=3\times161-(-2)\times45=573$

$\alpha^6+\beta^6=(\alpha+\beta)(\alpha^5+\beta^5)-\alpha\beta(\alpha^4+\beta^4)$
$=3\times573-(-2)\times161=2041$

$\alpha^7+\beta^7=(\alpha+\beta)(\alpha^6+\beta^6)-\alpha\beta(\alpha^5+\beta^5)$
$=3\times2041-(-2)\times573=7269$


こんな漸化式を考えた方が、比較的簡単になる・・・
こともありますよ、って話でした。


鳩ノ巣の原理

最近、勤務校の後期の時間割を組んでいる。
だが、全然出来る気がしない・・・

だって、習熟度の授業が多く、複数のクラスを跨った授業になっている。
そんな授業とホームルームで残っているのは週に7コマしかないのに、3クラスで10コマを、同じ教員に担当させる、という教科がありまして・・・

そんなの、不可能だって言うことが、鳩ノ巣の原理を用いて証明できるわけです。



鳩ノ巣の原理(Dirichletの部屋割論法)
$n$ 個の巣箱に $n+1$ 羽の鳩が入っているなら、少なくとも $1$ 個の巣箱には $2$ 羽以上の鳩が入っている。



そんなの当たり前じゃないの?
と思える結果であるが、数学では非常に重要なものでして・・・


例えば、以下のような事を証明できる。

--------------------------------------------------------------------------------
世田谷区民の中には、髪の毛の本数が等しい人が存在する。
--------------------------------------------------------------------------------

世田谷区民は世田谷区内全域の人口と世帯数によると、2019年9月1日現在で916,139人であるらしい。
つまり、91万人もいる、ということ。

これに対して、日本人の頭髪は約15万本である、ということらしい。
平均で15万、って事なので、厳密ではないが、最大値としては6倍の90万本、ということにしたら・・・

鳩ノ巣の原理より、同じ本数の人が少なくとも $2$ 人は存在する、ということが証明できる。


なので、このままでは時間割を組むことができないのだ。


指数の階乗と階乗の指数

夏休みも終わり、本日は全校集会。
そして4校時からは課題テストを3教科。
しかも、普段の授業の担当者をほぼそのまま試験監督に当ててるので、
私は午後の5、6校時に連続で試験監督になってました。


そんな試験が終わって、放課後はエクセルとにらめっこ。
本校は全国的にも珍しい、授業も2期制でやってます。
全国的にも、2期制の学校は多くなってきましたが、
それは3学期制のときと何が違うかというと、
「テストと始業式・終業式」が少なくなるだけ。
授業時間数を確保するために2期制にする、という学校も多いが、
本校は本当の2期制となっているのです。
つまり、前期だけの授業とか、後期だけの授業とかもあるのです。


って事で、教務としては色々と大変なのですが、
私が最も困っていることというと・・・


教務の担当なのですが、時間割を年2回も組む・・・


ただ組むだけでも面倒なのに、本校は普通科と工業科があり、
さらに科を跨っての習熟度で国数英の授業がありまして・・・

縦にまとめて入る習熟度の授業と、
横にまとめて入る工業科の実習系の授業があって・・・

もう、このパズルを年に2回もやるなんて・・・
しかも、後期の時間割を組むのは、休み期間中ではない・・・

って事で最近は、空き時間はずっとエクセルと、
カリキュラム表とのにらめっこです・・・




さて、今日は某質問サイトで見つけた問題について。
今回は知恵袋ではなく、quoraで見つけた問題です。


$2^{100!}$ と $2^{100}!$ の大小を判別せよ。


これを最初にみたとき、まず考えたのが、指数になっている問題なので、対数をとれば・・・

\begin{align*}
\log_a2^{100!} &= 100!\log_a2 & \log_a2^{100}! &= \cdots
\end{align*}

ところが、対数をとっても、そんなに簡単にはならなかった。
指数をとってからの階乗なので、対数をとっても・・・

って事で対数をとらずに調べてみることにした。



$2^{100}! = 1 \times 2 \times 3 \times 4 \times 5 \times 6 \times 7 \times 8 \times 9 \times \cdots \times (2^{100}-2) \times (2^{100}-1) \times 2^{100}$
$< 1 \times 2 \times 4 \times 4 \times 8 \times 8 \times 8 \times 8 \times 16 \times \cdots \times 2^{100} \times 2^{100} \times 2^{100}$
$= 1 \times 2^1 \times 4^2 \times 8^4 \times 16^8 \times \cdots \times (2^{99})^{2^{98}} \times (2^{100})^{2^{99}}$
$= 1 \times 2^{1\times2^0} \times 2^{2\times2^1} \times 2^{3\times2^2} \times 2^{4\times2^3} \times \cdots \times 2^{99\times2^{98}} \times 2^{100\times2^{99}}$
$= 2^{1 \times 2^0 + 2 \times 2^1 + 3 \times 2^2 + 4 \times 2^3 + \cdots + 99 \times 2^{98} + 100 \times 2^{99}} = (*)$

ここで,
$S=\displaystyle\sum_{k=1}^{100}k2^{k-1}$
とおくと,
$
\begin{array}{rcrrrrrrr}
S & = & 1 \times 2^0 & + 2 \times 2^1 & + 3 \times 2^2 & + \cdots & + 99 \times 2^{98} & + 100 \times 2^{99} & \\
-) 2S & = & & 1 \times 2^1 & + 2 \times 2^2 & + \cdots & + 98 \times 2^{98} & + 99 \times 2^{99} & + 100 \times 2^{100} \\
\hline
-S & = & 2^0 & + 2^1 & + 2^2 & +\cdots & + 2^{98} & + 2^{99} & -100 \times 2^{100}
\end{array}
$
$-S = 2^{100}-1 - 100\times2^{100}$
$S = 99 \times 2^{100}+1$
であるので,
$(*) = 2^{99 \times 2^{100}+1}$
$< 2^{128 \times 2^{100}}$
$= 2^{2^7 \times 2^{100}}$
$= 2^{2^{107}}$.


同様に,
$100! = 1 \times 2 \times 3 \times 4 \times 5 \times 6 \times 7 \times 8 \times 9 \times \cdots \times 63 \times 64 \times \cdots \times 100$
$> 1 \times 2 \times 2 \times 2^2 \times 2^2 \times 2^2 \times 2^2 \times 2^3 \times 2^3 \times \cdots \times 2^5 \times 2^6 \times \cdots \times 2^6$
$= 1 \times 2^{1\times2^1} \times 2^{2\times2^2} \times 2^{3\times2^3} \times 2^{4\times2^4} \times 2^{5\times2^5} \times 2^{6\times37}$
$= 2^{480}$
である.

以上より,
$2^{100}! < 2^{2^{107}} < 2^{2^{480}} < 2^{100!}$
である.



三角比

四字熟語で、「已己巳己」というのがある。

読み方としては、「いこみき」なのだが・・・

意味としては、字形が似ていることから、互いに似ているものの例え、らしいのだが・・・


冷静に考えて、3文字じゃね??


2文字目と4文字目、同じ字じゃないですか。

だったら、三字熟語でいいんじゃないの??

門、間、問、聞あたりを並べて四字熟語にした方がいいのでは??
なんて思ってしまうのは、私だけなのでしょうか??

個人的には、数学をやってたからか、住所を手書きするときに、
“郡”を書こうとしても“群”と書いてしまうのですが・・・






今日は知恵袋の問題。
三角比を使った、よくある感じの問題ですね。


$\triangle\mathrm{ABC}$ において $\mathrm{AB}=4$, $\mathrm{AC}=5$, $\angle\mathrm{BAC}=60^\circ$ である. 次の問に答えよ.

(1) 辺 BC の長さを求めよ.
(2) $\triangle\mathrm{ABC}$ の外接円の半径を求めよ.
(3) $\triangle\mathrm{ABC}$ の外接円の中心を O とする. 点 O から辺 BC に下ろした垂線を OD, 頂点 A から辺 BC に下ろした垂線を AE とする. このとき, 線分 DE の長さを求めよ.



(1) 余弦定理より、
$\mathrm{BC}^2=\mathrm{AB}^2+\mathrm{AC}^2-2\times\mathrm{AB}\times\mathrm{AC}\times\cos\angle\mathrm{BAC}$
$=4^2+5^2-2\times4\times5\times\frac12$
$=16+25-20$
$=21$
$\mathrm{BC}=\sqrt{21}$.

(2) 求める半径を $R$ とすると, 正弦定理より,
$2R=\frac{\mathrm{BC}}{\sin\angle\mathrm{BAC}}$
$=\frac{\sqrt{21}}{\frac{\sqrt3}2}$
$=2\sqrt7$.

(3) O は外接円の中心なので, D は辺 BC の中点である. これより,
$\mathrm{BD}=\frac12\times\mathrm{BC}$
$=\frac{\sqrt{21}}{2}$.

正弦定理より
$\frac{\mathrm{BC}}{\sin\angle\mathrm{BAC}}=\frac{\mathrm{AC}}{\sin\angle\mathrm{ABC}}$
$\sin\angle\mathrm{ABC}=\frac{\mathrm{AC}}{\mathrm{BC}}\sin\angle\mathrm{BAC}$
$=\frac{5}{\sqrt{21}}\times\frac{\sqrt3}{2}$
$= \frac{5}{2\sqrt7}$
相互関係より
$\cos\angle\mathrm{ABC}=\sqrt{1-\sin^2\angle\mathrm{ABC}}$
$=\sqrt{1-\frac{25}{28}}$
$=\sqrt{\frac{3}{28}}$
$=\frac{\sqrt3}{2\sqrt7}$
であるので,
$\mathrm{BE}=\mathrm{AB}\cos\angle\mathrm{ABC}$
$= 4 \times \frac{\sqrt3}{2\sqrt7}$
$= \frac{2}{7}\sqrt{21}$.

よって, 線分 DE の長さは
$\mathrm{DE}=\mathrm{BD}-\mathrm{BE}$
$=\frac12\sqrt{21}-\frac27\sqrt{21}$
$=\frac{3}{14}\sqrt{21}$.








最小多項式

部活で使う団扇がある。
何の競技かは言わないが、タイムアウトをとったときに、選手を扇いだり、それ以外の時間でも暑いときは私が扇いだり・・・

って事で使ってるチームの団扇があるのだが、それがそろそろ限界になってるモノが多くて・・・

チームロゴを印刷した紙を貼ってるので、オリジナルの団扇なのだが、仰ぐ度にパカパカ音が鳴ったり、プラスチックの取手がそろそろ折れるのではないかと思えるものもあったり。


そんなわけで、最近になって作り変える為に動き出しました。
無料で貰ってきた団扇の紙を剥いで骨組みのみにして、そこに新しく貼り直して・・・

って考えていたのですが、そもそも団扇がない・・・


以前は家電量販店なんかに行けばいくらでも団扇を貰えたものなのですが、最近って、全然おいてないんですね・・・

って事で、部活の保護者に相談していたら、前保護者会長から「うち(の会社)にいっぱいあるよ」と。

そんな事で、大量に貰いました。

まだまだ普通に使えそうな、ちゃんとした団扇だったのですが、これは使えない、と。
某自動車メーカーの営業所長なのですが、昔に配っていた団扇なのですが、とあるタレントさんを起用していた時代のもので、そのタレントさんとの契約が切れた現在では、そのタレントさんの顔が写ってるこの団扇はもう配れない、とのこと。

そんなわけで、数えてみたら、51枚の団扇をいただきました。
とりあえずは15枚くらい作ってみて、残りは年々作っていくようにしようかな。

それにしても、団扇の紙を剥がす作業がメンドクサイ。
なんて思いながら、部活中に暇があったので、私も剥がしていたのですが・・・

なんか、他に使うことのない技術を覚えて、だいぶキレイに、効率的に剥がせるようになってしまいました。
ポイントは、表面(1枚目)は隙間にカッターナイフの刃を入れて、グリグリと捻りながら剥がしていく、裏面(2枚目)はカッターナイフで端っこを剥がしたら、あとは指で骨を押し下げて剥がしていく、という感じですね。

みなさんも、やるときがあったらお試しください。





話は変わって、今日は最小多項式の話。

Wikipedia:最小多項式_(体論)あたりを見るとちゃんと定義されているのだが、体論の話になっているので、ハッキリ言うと非常に分かりにくい・・・

って事で、高校レベルでも分かるように説明すると・・・

代数的数(有理数と、有理数に累乗根がついたものを足したりしたもの) $\alpha$ を代入して $0$ になる多項式のうち、最小次数で最高次係数が $1$ の多項式のことを $\alpha$ の最小多項式という。


こんなことを言われても・・・
って思うところなので、具体例で考えてみる。


$3$ の最小多項式は $x-3$ である。

$\frac35$ の最小多項式は $x-\frac35$ である。

$\sqrt2$ の最小多項式は $x^2-2$ である。


それで何なんだ、と言われそうであるが、以下の問題をみてみる。



$a=\frac{3-\sqrt5}{2}$ のとき, $a^3$, $a^4-2a^3-2a^2+5a+1$ の値を求めよ.
(2018 近畿大・理工, 薬, 工)



この問題を解く際に、最小多項式のことを知らないと、

$a^3=\left(\frac{3-\sqrt5}{2}\right)^3$
$=\frac{(3-\sqrt5)^3}{8}$
$=\frac{27-27\sqrt5+45-5\sqrt5}{8}$
$=\frac{72-32\sqrt5}{8}$
$=9-4\sqrt5$

という力技で計算をし、更には

$a^4-2a^3-2a^2+5a+1$
$=\left(\frac{3-\sqrt5}2\right)^4-2\times\left(\frac{3-\sqrt5}2\right)^3-2\times\left(\frac{3-\sqrt5}2\right)^2+5\times\frac{3-\sqrt5}2+1$

となって、これを計算していくのだが・・・

ちょっと面倒くさいことになっている・・・

そこで、$a$ の最小多項式を求めてみる。

$a=\frac{3-\sqrt5}2$
$2a=3-\sqrt5$
$2a-3=-\sqrt5$
$(2a-3)^2=(-\sqrt5)^2$
$4a^2-12a+9=5$
$4a^2-12a+4=0$
$a^2-3a+1=0$

より、$a$ の最小多項式は $x^2-3x+1$ である。

今回、最小多項式自体は必要ないのだが、その手前で出てきた

$a^2-3a+1=0$

が非常に重要な式である。

この式から、

$a^2-3a+1=0$
$a^2=3a-1$
$a^3=3a^2-a$
$a^4=3a^3-a^2$

を得る。
これより,

$a^3=3a^2-a$
$=3(3a-1)-a$
$=8a-3$
$=8\times\frac{3-\sqrt5}{2}-3$
$= 12-4\sqrt3-3$
$= 9-4\sqrt3$

$a^4-2a^3-2a^2+5a+1$
$= 3a^3-a^2-2a^3-2a^2+5a+1$
$= a^3-3a^2+5a+1$
$= 3a^2-a-3a^2+5a+1$
$= 4a+1$
$= 4\times\frac{3-\sqrt5}2+1$
$= 6-2\sqrt5+1$
$= 7-2\sqrt5$

である。

もしくは、数学IIで学んだ割り算の筆算

\[
\begin{array}{rcrrrrr}
 & & a^2 & +a & & & \\
a^2-3a+1 & ) & a^4 & -2a^3 & -2a^2 & +5a & +1 \\
 & & a^4 & -3a^3 & +a^2 & & \\
 & & & a^3 & -3a^2 & +5a & \\
 & & & a^3 & -3a^2 & +a & \\
 & & & & & 4a & +1
\end{array}
\]
(Blogのシステムの都合上、部分的な横線が引けないので省略しています)

より、

$a^4-2a^3-2a^2+5a+1=(a^2-3a+1)(a^2+a)+4a+1$

である。
ここで、$a^2-3a+1=0$ であったので、

$a^4-2a^3-2a^2+5a+1=4a+1$
$= 4\times\frac{3-\sqrt5}2+1$
$= 7-2\sqrt5$

である。


行列式

明日、土用の丑の日。
なので、世間ではうなぎを食べるようですが・・・

そもそも、何故うなぎなのか。
ビタミンA、B1、B2、D、EやDHA、EPAなんかが含まれてて、
夏バテ予防にはちょうどいい、ってのもありますけど・・・

まあ、そんなことを気にせずに、私は今日、すき家で食べてきました。
だって、明日から合宿で、好きなものを食べられなくなりますので・・・



さて、久しぶりに知恵袋を見てみました。
久しぶりに大学数学に挑戦するので、まずは肩慣らしにコレくらいで・・・




次の行列式の値を求めよ。
(1)
$
\left|
\begin{array}{rrrr}
1 & 1 & 2 & 0 \\
-2 & 1 & 1 & -2 \\
0 & 1 & 2 & 0 \\
3 & -1 & 0 & 3
\end{array}
\right|
$

(2)
$
\left|
\begin{array}{rrrr}
1 & 1 & 1 & 0 \\
3 & 2 & 2 & 2 \\
2 & 2 & 3 & -2 \\
-1 & 2 & -4 & 3
\end{array}
\right|
$



では、解答を。

(1)
$
\left|
\begin{array}{rrrr}
1 & 1 & 2 & 0 \\
-2 & 1 & 1 & -2 \\
0 & 1 & 2 & 0 \\
3 & -1 & 0 & 3
\end{array}
\right|
$
$
=\left|
\begin{array}{rrrr}
1 & 1 & 2 & 0 \\
0 & 3 & 5 & -2 \\
0 & 1 & 2 & 0 \\
0 & -4 & -6 & 3
\end{array}
\right|
$
$
=\left|
\begin{array}{rrr}
3 & 5 & -2 \\
1 & 2 & 0 \\
-4 & -6 & 3
\end{array}
\right|
$
$
=-\left|
\begin{array}{rrr}
1 & 2 & 0 \\
3 & 5 & -2 \\
-4 & -6 & 3
\end{array}
\right|
$
$
=-\left|
\begin{array}{rrr}
1 & 2 & 0 \\
0 & -1 & -2 \\
0 & 2 & 3
\end{array}
\right|
$
$
=-\left|
\begin{array}{rr}
-1 & -2 \\
2 & 3
\end{array}
\right|
$
$=-\{(-1)\times3-2\times(-2)\}$
$=-1$
である。

(2)
$
\left|
\begin{array}{rrrr}
1 & 1 & 1 & 0 \\
3 & 2 & 2 & 2 \\
2 & 2 & 3 & -2 \\
-1 & 2 & -4 & 3
\end{array}
\right|
$
$
=\left|
\begin{array}{rrrr}
1 & 1 & 1 & 0 \\
0 & -1 & -1 & 2 \\
0 & 0 & 1 & -2 \\
0 & 3 & -3 & 3
\end{array}
\right|
$
$
=\left|
\begin{array}{rrr}
-1 & -1 & 2 \\
0 & 1 & -2 \\
3 & -3 & 3
\end{array}
\right|
$
$
=-3\left|
\begin{array}{rrr}
1 & 1 & -2 \\
0 & 1 & -2 \\
1 & -1 & 1
\end{array}
\right|
$
$
=-3\left|
\begin{array}{rrr}
1 & 1 & -2 \\
0 & 1 & -2 \\
0 & -2 & 3
\end{array}
\right|
$
$
=-3\left|
\begin{array}{rr}
1 & -2 \\
-2 & 3
\end{array}
\right|
$
$=-3\{1 \times 3 - (-2) \times (-2)\}$
$=3$
である。

フェルマーの小定理

すっかりご無沙汰となっていた、このブログ。
17ヶ月ぶりの更新のようです。

なぜ、更新していなかったのか??
単純な理由です。
仕事が忙しかったから。

前回の投稿の後、職場を3月いっぱいで退職し、
別な県の同業種に転職していたので・・・

また、気が向いたら、更新していこうかと思います。
多分、誰も見ていないようなブログなのですが。


さて、先日の実用数学技能検定の2級で出題された、以下の問題。



正の整数 $n$ の性質について述べた次の $4$ つの文 (ア)$\sim$(エ) について考えます。

$
\begin{array}{ll}
(ア) & n^3-n は必ず 3 で割り切れる。 \\
(イ) & n^5-n は必ず 5 で割り切れる。 \\
(ウ) & n^7-n は必ず 7 で割り切れる。 \\
(エ) & n^9-n は必ず 9 で割り切れる。
\end{array}
$

この中に $1$ つだけ正しくない文があります。それは (ア)$\sim$(エ) のどれですか。
$1$ つ選び、その文が正しくないことを示しなさい。



この問題自体はそんなに難しくない。
例えば、

$n^3-n = n(n-1)(n+1)$

より、連続する $3$ つの整数の積なので $3$ の倍数である。

$n^5-n = n(n^4-1)$ 
$=n(n^2-1)(n^2+1)$ 
$=n(n-1)(n+1)(n^2+1)$ 

より、$n\equiv 0, \pm1 \pmod{5}$ のときは $5$ の倍数である。
$n\equiv\pm2$ のとき、

$n^2+1\equiv (\pm2)^2+1$ $\pmod5$ 
$=4+1$ 
$\equiv 0$ $\pmod5$ 

より $5$ の倍数である。

以上より、$n^5-n$ は $5$ の倍数である。


などなどのように、具体的に考えていけば簡単に証明できる。

だが、折角なので、この問題の背景にある数学的な事実を確認しておこう。


Fermat's Little Theorem(フェルマーの小定理)
$p$ を素数とし, $\gcd(a, p)=1$ とする。このとき、
$a^{p-1}\equiv 1 \pmod{p}$ 
が成り立つ。


これと同値な条件式 $a^p \equiv a \pmod{p}$ を証明する。

そのために、以下の補題を証明する。


Lemma.1. 
$p$ を素数とし、$k$ を $1$ 以上 $p$ 未満の整数とすると、二項係数 ${}_p\mathrm{C}_k$ は $p$ の倍数である。

証明
二項係数の定義は 
${}_p\mathrm{C}_k = \frac{p!}{k!(p-k)!}$ 
である。ここで $p$ は素数なので、$k!$, $(p-k)!$ は $p$ の倍数ではない。よって ${}_p\mathrm{C}_k$ は $p$ で約分できないので、Lemma.1. が成り立つ。

Lemma.2. 
$p$ を素数とする。このとき、
$(m+1)^p \equiv m^p+1$ $\pmod{p}$ 
が成り立つ。

証明
二項定理より、
$(m+1)^p = m^p+{}_p\mathrm{C}_1m^{p-1}+\cdots+{}_p\mathrm{C}_im^{p-i}+\cdots+{}_p\mathrm{C}_{p-1}m^1+1$ 
$\equiv m^p+1$ $\pmod{p}$ 
であるので、Lemma.2. が成り立つ。

この Lemma.2 を繰り返し用いて Fermat's Little Theorem を証明する。

証明
$a^p = \{(a-1)+1\}^p$ 
$\equiv (a-1)^p+1$ $\pmod{p}$ 
$=\{(a-2)+1\}^p+1$ 
$\equiv (a-2)^p+2$ $\pmod{p}$
          $\vdots$ 
$= (1+1)^p+(a-2)$ 
$\equiv 1^p+(a-1)$ $\pmod{p}$ 
$= a$ 
より成り立つ。


この定理より、$p$ が素数かつ $\gcd(p, n)=1$ のとき、$n^p-n$ は $p$ の倍数であることが分かる。
さらに $\gcd(p, n)\neq1$ のときは $p$ が素数であることから $n$ が $p$ の倍数のときであるので、$n=pk$ ($k$ は整数)と表すことができるので、
$n^p-n = n(n^{p-1}-1)$ 
より、$n$ の倍数であるので $p$ の倍数である。

以上より、前述の問題の答えとしては、$p$ が素数である(ア)、(イ)、(ウ)は正しいと言える。
だが、この定理から(エ)が正しくないとは言えないので、反例を探す必要がある。

実際に、$n=2$ のとき 
$2^9-2 = 512-2$ 
$= 510$ 
であり、
$5+1+0=6$ 
であるので $9$ の倍数ではないことが分かる。