とあるテストの最終問題

ここ数日、意味不明に忙しかったので、全くと言っていいほど問題演習をしていなかった・・・
土日を遊び呆けたからか、その天罰が下ったのか、特に今日は尋常じゃないくらいに忙しかった・・・
そもそも、担任をもっているのに、総合・LHRのある日に授業をフルコマで入れてほしくない・・・

まあ、ある程度は仕方ないのですが、時間割を組んでる人が、教員ではないので・・・





本日は、大きく趣向を変えて、勤務校のとあるクラスのテストに出題した問題。
ただの悪ふざけのような気もするのですが・・・



円 $C$ : $(x-5)^2+(y-5)^2=25$ と, $2$ 点 A$(9, 8)$, B$(0, -9)$ がある.

(1) 円 $C$ と $y$ 軸に関して対称な円を $D$ とする.
円 $C$ および円 $D$ の中心の座標と半径を求めよ.

(2) 点 A における円 C の接線 $\ell$ の方程式を求めよ.

(3) $x$ 軸, $y$ 軸, 原点それぞれに関して直線 $\ell$ と対称な直線 $\ell_1$, $\ell_2$, $\ell_3$ の方程式を求めよ.

(4) 点 A と $x$ 軸に関して対称な点 E の座標を求めよ.

(5) $\triangle\mathrm{ABE}$ の重心 F の座標を求めよ.

(6) $y$ 軸に関して点 F と対称な点 G の座標を求めよ.

(7) 以下に, 円 $C$, 円 $D$, 直線 $\ell$, $\ell_1$, $\ell_2$, $\ell_3$ および線分 BF, FG, GB を書き入れよ.






こんな問題だったのですが・・・
別に、問題自体は大した事はないのですが、最後の問題までちゃんとたどり着けると・・・










こんな解答になる、ってものでした。

まったく、悪ふざけが過ぎますよね・・・

信じられん教師だ!!!

数学オリンピック日本予選2012

最近、テスト期間中ということもあったので・・・

先日の土日、思いっきり遊びに出かけてやりました。


本当は来週の予定だった、私の所属している地域活動団体の収穫祭が、先週の水曜日に連絡があり、1週前倒しになった、と言われまして・・・

色々とやることがあって、本当はこの土日も予定が入っていたのですが、残念ながら優先順位というものを考えると・・・
来週末の予定でしたけど、それに向けて少しずつ用意していたものですから・・・


そんなわけで、土日に入っていた2件の用事をキャンセルし、収穫祭に行ってきました。
収穫祭なので、餅をついてそれを食べる、というのがメインなのですが、ここ数年は私が何か料理していたからか、他に何も用意されていないので・・・

で、今年もたこ焼き、餃子を焼いて、更にはかき氷も作ってみました。
特に餃子に関しては、毎年購入している某精肉店の手作り餃子で、県内一の美味しさ(当社比)です。

ただ、たこ焼きの準備の際に、一緒に行った人から言われた一言が・・・
キャベツを千切りにし、その後に短くなるように切り直すのですが、千切りの包丁音を聞いて「料理が出来ないストレスが溜まってる音ですね」と。
確かに、寮監をしている為、普段料理を全くしない生活になってしまいましたからね・・・
言われてみれば、料理をしている時間が、とても楽しかったような・・・
翌日の日曜日、炭焼き窯でのピザ焼きの際も、隣で焼きそばを作っていましたが、鉄板で合計21玉分の焼きそばを焼いて、大変だったし熱かったですが、楽しかった・・・

日常的に、料理がしたいな・・・





今日は、先日の某高校の学園祭に行った際に話題になった、昔の数学オリンピック日本予選の問題。
整数の問題としては、典型的な問題ですね。
ただ、因数分解をしてから場合分けをして、更にそれぞれについて解いていく、というのは、数オリらしく、大学入試よりは遥かに高いレベルの問題です。





A 君と B 君が黒板に 2 つずつ正の整数を書いた. A 君の書いた数の積は B 君の書いた数の和の $2$ 倍, B 君の書いた数の積は A 君の書いた数の和の $2$ 倍であり, A 君の書いた数の和は B 君の書いた数の和以上であった. このとき, B 君の書いた数の和として考えられるものをすべて求めよ. ただし, 書かれた 4 つの数は相異なるとは限らない.





---解答例---

A 君が書いた正の整数を $a$, $b$ ($a\le b$), B 君が書いた正の整数を $c$, $d$ ($c \le d$) とする.
条件より,
$
\begin{cases}
ab = 2(c+d) & \cdots (1) \\
cd = 2(a+b) & \cdots (2) \\
a+b \ge c+d & \cdots (3)
\end{cases}
$
が成り立つ.

$(1)$, $(3)$ より,
$2(a+b) \ge ab$
$ab-2a-2b \le 0$
$(a-2)(b-2) \le 4$
を得る.
これと, $a$, $b$ が正の整数であることより,
(i) $a-2=-1$, $b-2\ge-2$
(ii) $a-2=-1$, $b-2\ge-1$
(iii) $a-2=1$, $b-2\ge0$
(iv) $a-2=2$, $b-2=2$
であることが分かる.

(i) $a=1$ のとき, $(1)$, $(2)$ より
$b = 2(c+d)$
$cd = 2(1+b)$
であるので,
$cd = 2+4(c+d)$
$cd-4c-4d = 2$
$(c-4)(d-4) = 18$
より,
$(c-4, d-4) = (1, 18), (2, 9), (3, 6)$
即ち
$(c, d) = (5, 22), (6, 13), (7, 10)$
を得る.
実際に,
$(a, b, c, d) = (1, 54, 5, 22), (1, 38, 6, 13), (1, 34, 7, 10)$
が, 題意を満たす.

(ii) $a=2$ のとき,
$cd = 4+2(c+d)$
$(c-2)(d-2) = 8$
より,
$(c-2, d-2) = (1, 8), (2, 4)$
即ち
$(c, d) = (3, 10), (4, 6)$
を得る.
実際に,
$(a, b, c, d) = (2, 13, 3, 10), (2, 10, 4, 6)$
が題意を満たす.

(iii) $a=3$ のとき, $(1)$ より
$3cd=18+4c+4d$
$3cd-4c-4d=18$
$c(3d-4)-4d=18$
$3c(3d-4)-4\times3d=54$
$(3c-4)(3d-4)=70$
より
$(3c-4, 3d-4) = (1, 70), (2, 35), (5, 14), (7, 10)$
即ち
$(c, d) = \left(\frac53, \frac{74}3\right), (2, 13), (3, 6), \left(\frac{11}3, \frac{14}3\right)$
を $4$ 組を得るが, 自然数であることに反するので $2$ 組は不適である.
よって
$(a, b, c, d)=(3, 10, 2, 13), (3, 6, 3, 6)$
を得るが, $(1, b, c, d)=(3, 10, 2, 13)$ は条件式 (3) を満たさないので不適.
よって
$(a, b, c, d)=(3, 6, 3, 6)$.

(iv) $a=4$ のとき, $(1)$, $(2)$ より
$cd = c+d+8$
$cd-c-d = 8$
$(c-1)(d-1) = 9$
より
$(c-1, d-1) = (3, 3)$
即ち
$(c, d) = (4, 4)$
を得る.
実際に,
$(a, b, c, d) = (4, 4, 4, 4)$
が題意を満たす.

以上より,
\[
8, 9, 10, 13, 17, 19, 27
\]
である.

北海道大学・理系(2017年)

勤務校は2期制をとっていて、昨日から前期の期末考査となっています。
当然、テスト前になったら、部活動の禁止期間があるのですが・・・
大会が近いから、っていう理由で、多くの部活が活動してるんですよね・・・

いや、大会なんかどうでもいい、なんて言うつもりはありませんが、そうなる事は予想できるのだから、最初から試験の日程を考えて設定すればいいのではないのでしょうか??
むしろ、こんな日程になることが分かっているのだから、2期制にしている意味はあるのでしょうか??

まだまだ出来て日が浅い学校であるけど、その学校を作る際に持ってきたシステムが、姉妹校の定時制、っていうのがそもそもの間違い。
なのに、それを決めた上層部が過ちを認めたくないから(私の勝手な予想)、このシステムの変更(教務規定とかも含めて)をしたくても、上層部がOKを出さないという・・・

私は別にいいんですけど、そんなに生徒を苦しめて、何かいい事があるのでしょうか??

3年生の、前期中間の成績は非常に重要です。
3学期制の学校の場合は、1学期の成績です。
通常は、1学期の中間と期末が終わって、その点数を元に調整をして点数を付け、その点数を元に仮評定が出て、それを含む3年間の評定平均値が進学先や就職先に送られる数字になるのです。

なのに、この学校のシステムは、前期中間の“素点”を成績として出す、と。
調整は年度末に行うので、年間の途中には一切しない、と。
1年や2年だったらそれでもいいのですが、3年生は・・・

もし中間考査が難しくし過ぎて、平均20点なんてなってしまったら、殆どの生徒が赤点になってしまうわけで・・・
そんな成績が、調整もされずに進学先・就職先に送られてしまう、ってのは大丈夫なのか??


って話を教員の間でしていたら、昨日の管理職の会議で、3学期制とか、成績評価の方法とか、話が出たみたいでした。
これで少しは、まともなシステムになる・・・のかな??





北海道大学の第5問。
なかなか旧帝大では見かけない(気がする)、図形と方程式単体の問題。
多くはここに、平面幾何やら三角比やらをかぶせてくるのですが、珍しく単体の問題。





座標平面上の $3$ 点 $A(1, 0)$, $B(3, 1)$, $C(2, 2)$ を頂点とする
$\triangle ABC$ の内部および境界を $T$ とおく.
実数 $a$ に対して, 条件
\[
AP^2+BP^2+CP^2\le a
\]
を満たす座標平面上の点 $P$ の全体を $D$ とする.
ただし, $AP$ は点 $A$ と点 $P$ の距離を表す.

(1) $D$ が少なくとも $1$ つの点 $P$ を含むような $a$ の値の範囲を求めよ.

(2) $D$ が $T$ を含むような $a$ の値の範囲を求めよ.

(3) (1) のもとで, $D$ が $T$ に含まれるような $a$ の値の範囲を求めよ.





---解答例---

(1)
$P(x, y)$ とおくと,
$AP^2 = (x-1)^2+y^2$
$BP^2 = (x-3)^2+(y-1)^2$
$CP^2 = (x-2)^2+(y-2)^2$
より,
$AP^2+BP^2+CP^2 = 3x^2-12x+3y^2-6y+19$
$= 3(x^2-4x)+3(y^2-2y)+19$
$= 3(x-2)^2+3(y-1)^2+4$,
これより
$3(x-2)^2+3(y-1)^2+4 \le a$
$(x-2)^2+(y-1)^2 \le \frac{a-4}3$
であるので, $D$ は点 $(2, 1)$ を中心とする半径 $\frac{\sqrt{3(a-4)}}3$ の円
(境界線を含む) であるので,
$\frac{\sqrt{3(a-4)}}{3} \ge 0$
$a-4 \ge 0$
$a \ge 4$.

(2)
$PA^2 = (2-1)^2+1^2 = 2$,
$PB^2 = (2-3)^2+(1-1)^2 = 1$,
$PC^2 = (2-2)^2+(1-2)^2 = 1$
より, 点 $A$ が $D$ に含まれるとき, $D$ が $T$ を含む. よって,
$\frac{\sqrt{3(a-4)}}{3} \ge \sqrt2$
$\frac{a-4}3 \ge 2$
$a \ge 10$.

(3)
点 $(2, 1)$ と直線 $AB$ との距離を $d_{AB}$ とすると, 直線 $AB$ の方程式は
$y = \frac12(x-1)$
$2y = x-1$
$x-2y-1 = 0$
であるので,
$d_{AB} = \frac{|2-2\times1-1|}{\sqrt{1^2+(-2)^2}} = \frac1{\sqrt5}$
である. 対称性から $d_{CA}=\frac1{\sqrt5}$, $d_{BC}=\frac1{\sqrt2}$ であるので,
$\frac{\sqrt{3(a-4)}}3 \le \frac1{\sqrt5}$
$\frac{a-4}3 \le \frac15$
$a-4 \le \frac35$
$a \le \frac{23}5$
であるので, $4\le a\le\frac{23}5$.


北海道大学・理系(2017年)

3連休を終えての本日。
ここ1週間で、何回病院に行ったことやら・・・

先週の月曜日に、生徒を連れて夜間の外来へ。
水曜日は別の生徒を連れて、夕方に学校医へ行ったのですが、午後休診で、別な医者へ。
木曜日には、月曜日に連れて行った生徒を連れて学校医へ、そこでマイコプラズマが発覚し、別な病院へと入院させる。

入院させた際に、顧問3人が病室に揃ったのですが・・・
第1「とりあえず、担任するまで毎日、誰かが御見舞に来よう」
第2「そうですね、そうした方がいいと思います」
っていうことで、私(第3)は何も言ってないのですが、3連休は毎日、御見舞に行きました。


そこで入院している生徒に聞いたのですが・・・
私「この3連休、誰か御見舞に来た?」
生「I先生(私)だけです」

えっと・・・
言い出したのなら、責任をもってくださいよ・・・





北海道大学の第4問。
確率の問題で、 $p_n$ とか書いてあるから、数列も絡んでくるのかな、なんて思ったりもしたのですが、完全に確率だけの問題でした。





さいころを続けて投げて, 数直線上の点 $P$ を移動させるゲームを行う. 初め点 $P$ は原点 $0$ にいる. さいころを投げるたびに, 出た目の数だけ, 点 $P$ の現在の位置から正の向きに移動させる. この試行を続けて行い, 点 $P$ が $10$ に達するか越えた時点でゲームを終了する. $n$ 回目の試行でゲームが終了する確率を $p_n$ とする.

(1) $p_{10}=\left(\frac16\right)^9$ となることを示せ.

(2) $p_9$ の値を求めよ.

(3) $p_3$ の値を求めよ.





---解答例---

(1)
$10$ 回目でゲームが終了する為には, $1$ 回目から $9$ 回目までは $1$ の目が出て,
$10$ 回目は任意の目が出ることになる. これより,
$p_{10} = \left(\frac16\right)^9 \times \frac66 = \left(\frac16\right)^9$.

(2)
$9$ 回目で終了する為には, $8$ 回が終わった時点で $8$ または $9$ にいて, $8$ にいるときは $9$ 回目に $2$ 以上の目が, $9$ にいるときは $9$ 回目に任意の目が出る.

case.1.
$8$ 回が終わった時点で $8$ にいるとき
$\left(\frac16\right)^8 \times \frac56 = \frac{5}{6^9}$.

case.2.
$8$ 回が終わった時点で $9$ にいるとき
${}_8\mathrm{C}_1 \times \frac16 \times \left(\frac16\right)^7 \times \frac66 = \frac{48}{6^9}$.

よって,
$p_9 = \frac5{6^9}+\frac{48}{6^9} = \frac{53}{6^9}$.

(3)
$2$ 回目が終わった時点で点 $P$ がいる座標を $x$ とする.

case.1.
$x=4$ のとき, $1$, $2$ 回目の出方は $(1, 3)$, $(2, 2)$, $(3, 1)$ の $3$ 通り, よって
$\frac3{6^2} \times \frac16 = \frac3{6^3}$.

case.2.
$x=5$ のとき, $1$, $2$ 回目の出方は $(1, 4)$, $(2, 3)$, $(3, 2)$, $(4, 1)$ の $4$ 通り, よって
$\frac4{6^2} \times \frac26 = \frac8{6^3}$.

case.3.
$x=6$ のとき, $1$, $2$ 回目の出方は $(1, 5)$, $(2, 4)$, $(3, 3)$, $(4, 2)$, $(5, 1)$ の $5$ 通り, よって
$\frac5{6^2} \times \frac36 = \frac{15}{6^3}$.

case.4.
$x=7$ のとき, $1$, $2$ 回目の出方は $(1, 6)$, $(2, 5)$, $(3, 4)$, $(4, 3)$, $(5, 2)$, $(6, 1)$ の $6$ 通り, よって
$\frac6{6^2} \times \frac46 = \frac{24}{6^3}$.

case.5.
$x=8$ のとき, $1$, $2$ 回目の出方は $(2, 6)$, $(3, 5)$, $(4, 4)$, $(5, 3)$, $(6, 2)$ の $5$ 通り, よって
$\frac5{6^2} \times \frac56 = \frac{25}{6^3}$.

case.6.
$x=9$ のとき, $1$, $2$ 回目の出方は $(3, 6)$, $(4, 5)$, $(5, 4)$, $(6, 3)$ の $4$ 通り, よって
$\frac4{6^2} \times \frac66 = \frac{24}{6^3}$.

以上より,
$p_3 = \frac{3}{6^3}+\frac{8}{6^3}+\frac{15}{6^3}+\frac{24}{6^3}+\frac{25}{6^3}+\frac{24}{6^3} = \frac{99}{6^3} = \frac{11}{24}$.

北海道大学・理系(2017年)

寮監をしているので、体調不良になった生徒を病院に連れていくのも仕事です。
そんなわけで、月曜日の夜に、風邪気味だった生徒を連れて夜間外来に行ったのですが、その生徒が昨日(水曜日)になっても治らない、ということで、授業終わりに寮まで迎えに行って、そのまま学校医へと連れて行ったのですが・・・

見事に、マイコプラズマでした。

寮生で、実家は茨城、保護者に迎えに来てもらうにも、翌日(金曜日)に来ても、そのまま3連休になってしまうと、病院には行けない。
しかも、両親は連休明けに引っ越しがあるので、それどころではない。

寮の中で隔離することも、可能は可能なのですが、それでも気密性とかに不安がある気がするので、感染拡大する可能性もありうる。


ってことで、学校医の先生と相談して、近くの病院に入院することに。
寮に戻って、着替えを取りに行かせて、その後すぐに入院先の病院へ。

そんな対応をしたとか、そんなことはどうでもいいのだが、すごく気になるのが・・・
マイコプラズマの場合、今は出席停止にはならず欠席で処理しておき、終わってから治癒証明書が出た時点で出席停止に変更になる、とのこと。
なんで、そんな面倒なやり方をしなくてはいけないのでしょうか??
教務の先生から、出席簿は原則、書き直しはするな、って言われてるのに、書き直すのが前提のシステムって大丈夫なのでしょうか??





北海道大学の第3問。
ガッツリと複素数平面の問題。
複素数が平面上でどのような意味を持つのか(絶対値とか、共役とか)を理解していないと厳しいかも。




複素数平面上に $3$ 点 $O$, $A$, $B$ を頂点とする $\triangle OAB$ がある. ただし, $O$ は原点とする. $\triangle OAB$ の外心を $P$ とする. $3$ 点 $A$, $B$, $P$ が表す複素数を, それぞれ $\alpha$, $\beta$, $z$ とするとき,
\[
\alpha\beta=z
\]
が成り立つとする.

(1) 複素数 $\alpha$ の満たすべき条件を求め, 点 $A(\alpha)$ が描く図形を複素数平面上に図示せよ.

(2) 点 $P(z)$ の存在範囲を求め, 複素数平面上に図示せよ.





---解答例---

(1)
$P$ が $\triangle\mathrm{OAB}$ の外心であるので
$|z| = |z-\alpha| = |z-\beta|$
が成り立つ. ここに $z=\alpha\beta$ を代入すると,
$|\alpha\beta| = |\alpha\beta-\beta|$
$|\alpha||\beta| = |\alpha-1||\beta|$
$\beta\neq0$ より
$|\alpha| = |\alpha-1|$
である. これは $2$ 点 $0$, $1$ からの距離が等しい点の軌跡, 即ち垂直二等分線であるので, 以下の通りである.


(2)
(1) より, $\alpha$ の実部は $\frac12$ であり, 同様に $\beta$ の実部も $\frac12$
である. これより
$\alpha = \frac12+ai$, $\beta = \frac12+bi$
と表すことができる ($a$, $b$ は実数) ので,
$z = \alpha\beta$
$= \left(\frac12+ai\right)\left(\frac12+bi\right)$
$= \left(\frac14-ab\right)+\frac12(a+b)i$
が成り立つ. $z=x+yi$ ($x$, $y$ は実数) とすると,
$
\begin{cases}
x = \frac14-ab \\
y = \frac12(a+b)
\end{cases}
$
が成り立つ. これより,
$ab = \frac14-x$
$a+b = 2y$
である. これを満たす異なる実数 $a$, $b$ が存在するための必要十分条件は, $2$ 次方程式
$t^2-2yt+\left(\frac14-x\right) = 0$
が実数解をもつことである. これが実数解をもつためには, 判別式を $D$ とすると $D>0$ であるので,
$\frac{D}4 = y^2-\left(\frac14-x\right) > 0$
$x > -y^2+\frac14$
である. よって, $P(z)$ の存在範囲は以下の通り. (システムの都合上, $x$ 軸を縦に, $y$ 軸を横にとっている事に注意)

ただし, 境界線を含まない.

北海道大学・理系(2017年)

先日見に行った某高校の学園祭で見かけた問題について、私なりに考えていたのですが・・・


問題は、ケーキの分割の方法について。
長方形のケーキを、平等に分割するにはどうしたらいいか、という問題。
これを考察するに当たり、“平等”という曖昧な単語をどう定義するか、ここが生徒のセンスの良さがありました。

スポンジが好きな人がいるだろうから、面積が等しくなるように分割する。
クリームが好きな人もいるだろうから、外周も等しくなるように分割する。

つまり、長方形を、面積が等しく、長方形の外周も等しく含むような分割を考える、ということ。

こんな分割に関して、高校生が考えていた解答が、2人、4人、8人、16人で分割するときについてでした。
ただ、16人の分割のときに関してがちょっと曖昧な点があったので、私も考えてみました。


その結果を $\LaTeX$ でまとめて、PDF にしてその高校の先生に送ったので、査読の結果待ちの状態です。


一応、この $2^n$ 人での分割の一般化について考えてみたのですが、ちょっと複雑過ぎて、これは難しそうですね・・・
それと、$2^n$ 以外の分割については何も触れていないので、これについても考察したいですね。
$2^n$ の一般化が出来たとしたら、次の素数の場合を一般化して・・・

なんか、フェルマーの最終定理の証明の歴史みたいな感じになりそうですね。





北海道大学の第2問。
ガッツリと、数IIIの微分積分の問題です。
ただ、東大の、空間内の線分を回転させて・・・みたいな、ひねくれた問題ではなく、そのままやればできる問題です。
計算がちょっと面倒ですが、できない問題ではないですね。



関数 $f(x)=1+\sin x-x\cos x$ について, 以下の問いに答えよ.

(1) $f(x)$ の $0\le x\le2\pi$ における増減を調べ, 最大値と最小値を求めよ.

(2) $f(x)$ の不定積分を求めよ.

(3) 次の定積分の値を求めよ.
\[
\int_0^{2\pi}|f(x)|dx
\]





---解答例---

(1)
$\frac{d}{dx}f(x) = \cos x-\cos x+x\sin x$
$= x\sin x$
より, $\frac{d}{dx}f(x)=0$ となるのは
$x\sin x = 0$
$x = 0, \pi, 2\pi$
である. これより, 増減表は以下の通り.
\[
\begin{array}{c||c|c|c|c|c}
x & 0 & \cdots & \pi & \cdots & 2\pi \\
\hline
\frac{d}{dx}f & 0 & + & 0 & - & 0 \\
\hline
f & f(0) & \nearrow & f(\pi) & \searrow & f(2\pi)
\end{array}
\]
関数の値は
$f(0) = 1+0-0\times1 = 1$,
$f(\pi) = 1+0-\pi\times(-1) = \pi+1$,
$f(2\pi) = 1+0-2\pi\times1 = -2\pi+1$
であるので,
\[
\begin{cases}
x=\pi ~ のとき最大値 ~ \pi+1 \\
x=2\pi ~ のとき最小値 ~ -2\pi+1
\end{cases}
\]
である.

(2)
$\int x\cos xdx = \int x(\sin x)'dx$
$= x\sin x-\int (x)'\sin xdx$
$= x\sin x-\int \sin xdx$
$= x\sin x+\cos x+C$
である ($C$ は積分定数) ので,
$\int f(x)dx = x-\cos x-(x\sin x+\cos x)+C$
$= x-2\cos x-x\sin x+C$.

(3)
$f(x)=0$ となる, 即ち
$1+\sin x-x\cos x = 0$
となるときを考える.
$x\cos x=0$ となるのは
$x = 0, \frac{\pi}2, \frac32\pi$
である. ここで,
$f\left(\frac32\pi\right) = 1+\sin\frac32\pi-0$
$= 0$
である. これと (1) より, $0\le x\le2\pi$ において $f(x)=0$ となるのは
$x=\frac32\pi$ のときのみである. これより,
$\int_0^{2\pi}|f(x)|dx = \int_0^{2\pi}|1+\sin x-x\cos x|dx$
$= \int_0^{\frac32\pi}(1+\sin x-x\cos x)dx - \int_{\frac32\pi}^{2\pi}(1+\sin x-x\cos x)dx$
$= \biggl[x-2\cos x-x \sin x\biggr]_0^{\frac32\pi} - \biggl[x-2\cos x-x\sin x\biggr]_{\frac32\pi}^{2\pi}$
$= \frac32\pi+\frac32\pi+2-2\pi+2+\frac32\pi+\frac32\pi$
$= 4\pi+4$.

北海道大学・理系(2017年)

昨日の日曜日、以前勤務していた某私立高校の某部活が、選手権の地区予選の決勝戦、ということだったので、応援に行ってきました。
勤務していたのが2年前なので、当時の1年生ももう3年生。
なので、ほとんどが知らない生徒ばかりなのですが、1人だけ残って頑張ってる生徒がいたので、その子1人の為・・・ではないですが、応援に行ってきました。

インターハイ予選や新人戦を含めて、地区優勝は4年前を最後にずっと決勝で負けたり、決勝に来れなかったりしていたので・・・

ただ、今の1・2年生は、なかなか力があります。
それを考えれば、地区優勝は目指せないようなものではない。

と思ってはいたのですが、思い出すと、それよりも断然力のある子が揃っていた、今の大学1年生の学年でも、地区優勝が出来なかったんですよね・・・

なんて思ったりもしたのですが、今年はやってくれました!!
あの高校の、あの種目の部活は、男子も女子も、決勝と呼ばれる試合は必ずギリギリになるんですよね。
ギリギリにならない場合は、明らかなボロ負けになってしまう・・・
のが今までだったのですが、今年はもう、安心して見ていられました。
前半が終わる頃には、ダブルスコアくらいになっていたので、本当に安心していました。

で、そのまま勝利、第1回の地区大会を、優勝できました。
おめでとうございます!!



それはさておき、一昨日、視察に行った某高校で、数学オリンピックの話になって、そこで私が言った問題を、久しぶりに解いてみました。
なんとなくやり方を覚えていたので、10分くらいで解けましたが、初めて解けたときは2週間くらいかかった気がする。

って事で、今日はその問題を・・・
と思ったのですが、解答を打つ気力が・・・

そんなわけで、困ったときのバックナンバー。
困ったときの、旧帝大。

今日からは北海道大学。
整数の問題なのですが、そんなに難しくはないですね・・・





自然数の $2$ 乗となる数を平方数という.

(1)
自然数 $a$, $n$, $k$ に対して, $n(n+1)+a=(n+k)^2$ が成り立つとき,
$a \geqq k^2+2k-1$
が成り立つことを示せ.

(2)
$n(n+1)+14$ が平方数となるような自然数 $n$ をすべて求めよ.





---解答例---

(1) 
仮定より 
$n(n+1)+a = (n+k)^2$ 
$n^2+n+a = n^2+2nk+k^2$ 
$a = k^2+n(2k-1)$ 
ここで $n$ は自然数より $n(2k-1)\geqq2k-1$ であるので 
$a \ge k^2+2k-1$ 
が成り立つ. 

(2) 
(1) より, $n(n+1)+14=(n+k)^2$ を満たす自然数 $n$, $k$ が存在するとき, $14\ge k^2+2k-1$ が成り立つ. 
これより, 
$k^2+2k-1 \le 14$ 
$k^2+2k-15 \le 0$ 
$(k+5)(k-3) \le 0$ 
$-5 \le k \le 3$ 
$k$ は自然数であるので 
$k = 1, 2, 3$ 
である. 

$k^2+n(2k-1) = 14$ 
$n(2k-1) = 14-k^2$ 
$n = \frac{14-k^2}{2k-1}$ 
より, 
$n = 13, \frac{10}3, 1$ 
であるが, $n$ も自然数なので 
$n = 1, 13$. 

同僚からの問題

一昨日の夜、同寮と一緒に隣の市で焼肉を食べました。
ただ、もう若くはない我々なので、食べ放題はキツかった・・・

それが原因か、昨日の朝7時に寮のチャイムが鳴ると同時に、足をつって目が覚めました。
所謂、こむら返りと呼ばれるヤツと考えて、間違いないのだと思います。
多分、食べ過ぎとか、栄養バランスとか・・・


そんなわけで、昨日は1日空きができました。
なので、ちょいとお出かけを。
某県庁所在地にある、南高校に行ってきました。
その高校の学園祭がある、っていう情報を消息筋(学校HP)から入手したので。

先日も書きましたが、私は生徒会も担当しています。
まあ、メインではなく、サブなのですが・・・

勤務校もあと1ヶ月少々で学園祭がありますので、他校はどんな企画をやっているのかを調べに行こうかと・・・
思ったってのも少しありますが、本当の理由はそれ以外にあります。

私が“センセー”と呼ばれる仕事をした初めての職場での同僚と、懲りずに“センセー”と呼ばれ続けていた昨年度の同僚が、今年4月に同時に同じ学校に異動になったので、これは会いに行かねば!!って事で行きました。

結局、1人にしか会えませんでしたが、それ以上に面白いものを見つけました。
SSHに選ばれている学校なだけあって、理系の課題研究(?)の発表もありました。
そんな中で見た、高校生が頑張って考えていた問題があったので、私もそのうち時間ができたら考えてみたいと思います。





そういえばこの高校、今の職場の同僚の母校でもありました。
その同僚から先日、この問題はどうやって解きますか、と聞かれた問題。
その場で解いたので、正確には覚えていませんが・・・





$xyz=1$ のとき,
$\frac{2x}{x+xy+1}+\frac{2y}{y+yz+1}+\frac{2z}{z+zx+1}$
の値を求めよ.





ってな感じだったと思います。

最近ずっと挙げていた入試問題、旧帝大も3大学が終わったので、ここで一旦一休みして、たまには息抜きにこんな問題への考え方を書いておきます。



まず、この問題を見たときに、最初に気づくこと.

“$x$ と $y$ と $z$ がサイクルになってるな”

対称式とか交代式とはちょっと違うのですが, $x \mapsto y \mapsto z \mapsto x$ と置換したとき, 全体としては値が変わらない.
ということは, 同じ作用を施して, 何か都合のいい形になるのかな.
(具体的に, $1$ 項目の分子・分母には $\times x$, $2$ 項目の分子・分母には $\times y$, $3$ 項目の分子・分母には $\times z$ というように, 作用自体もサイクルさせますが)

と思ったのですが, 分母が $x+xy+1$ という, 対称性がなさそうな形になっています.

ということで, 同じ作用をそれぞれに施す, というのはちょっと諦めました.

で, 次に考えたのが, 条件式の $xyz=1$ を使う.
通常, この手の条件式では, $z=\frac1{xy}$ を代入することで簡単になる, という問題が多いので, それを試してみる.

$\frac{2x}{x+xy+1}+\frac{2y}{y+yz+1}+\frac{2z}{z+zx+1}$
$= \frac{2x}{x+xy+1}+\frac{2y}{y+\frac1x+1}+\frac{\frac2{xy}}{\frac1{xy}+\frac1y+1}$
$= \frac{2x}{x+xy+1}+\frac{2xy}{xy+1+x}+\frac{2}{1+x+xy}$
$= \frac{2(x+xy+1)}{x+xy+1}$
$= 2$.

こんな感じで解ける問題だったわけです.


ですが, 実は私も, 最初に思いついた解法はこんなのではなく...

$\frac{2x}{x+xy+1}+\frac{2y}{y+yz+1}+\frac{2z}{z+zx+1}$
$= \frac{2}{1+y+\frac1x}+\frac{2y}{y+yz+1}+\frac{2yz}{yz+xyz+y}$
$= \frac{2}{1+y+yz}+\frac{2y}{y+yz+1}+\frac{2yz}{yz+1+y}$
$= \frac{2(1+y+yz)}{1+y+yz}$
$= 2$

だったのでした.
まあ, 本質的には何も違わないのですが...

東北大学・理系(2017年)

学校という環境で、1週間という単位で区切ってスケジュールを考える際に、非常に重要になってくるのが、時間割です。

生徒のときは、結局毎日6時間目まで(学校によっては7時間目まで)あるので、そんなに気にしていなかったのですが、教員になって、特に今の勤務校に来てからは、非常に重要性を痛感しています。

数学は単位数が比較的多い教科なので、ある程度は仕方ないのですが・・・
5単位ある授業で、週5日ある授業なら、普通に考えて1時間/日で時間割を作成すると思うのですが、10月からの時間割案が出てきて、それを見ると、あるクラスの数学が、
・月曜 なし
・火曜 2時間(連続)
・水曜 2時間(間に2時間挟む)
・木曜 1時間
・金曜 なし
なんていう、非常にバランスの悪い時間の組み方になっています。
何故、こんな時間しか組めないのでしょうか?

そりゃ、この学校、特性というか、変なシステムを取ってることが多いので、時間割に制約が出て来るのは仕方ないのですが・・・
時間割を作ってる教務のある先生の時間を抽出してみると、バランスよく授業が散らばって、程よく休憩も取れそうな時間になってるように見えますけど、それは偶然なんですよね??





東北大学も今日で最後となります。
ガッツリと積分の問題です。
ただ、そんなに珍しいものではなく、よくある問題、って感じですね。






$a$, $b$, $c$ を実数とし,
$I(a, b) = \int_0^{\frac{\pi}2}e^{ax}\cos bxdx$,
$J(a, b, c) = \int_0^{\frac{\pi}2}e^{ax}\sin bx\sin cxdx$
とおく.
ただし, $a\neq0$ とする.
このとき, 以下の問いに答えよ.

(1)
$I(a, b)$ を求めよ.

(2)
$J(a, b, c)$ を $I(a, b+c)$ と $I(a, b-c)$ を用いて表せ.

(3)
次の極限を求めよ.
$\lim_{t\to\infty}8\int_0^{\frac{\pi}2}e^x\sin tx\sin2tx\cos3tx\cos4txdx$





---解答例---

(1)
$I(a, b) = \int_0^{\frac{\pi}2}e^{ax}\cos bxdx$
$= \int_0^{\frac{\pi}2}\frac1a(e^{ax})'\cos bxdx$
$= \left[\frac1ae^{ax}\cos bx\right]_0^{\frac{\pi}2}-\int_0^{\frac{\pi}2}\frac{b}ae^{ax}(-\sin bx)dx$
$= \frac1ae^{\frac{a}2\pi}\cos\frac{b}2\pi-\frac1a+\frac{b}a\int_0^{\frac{\pi}2}e^{ax}\sin bxdx$,
ここで,
$\int_0^{\frac{\pi}2}e^{ax}\sin bxdx = \int_0^{\frac{\pi}2}\frac1a(e^{ax})'\sin bxdx$
$= \left[\frac1ae^{ax}\sin bx\right]_0^{\frac{\pi}2}-\int_0^{\frac{\pi}2}\frac{b}ae^{ax}\cos bxdx$
$= \frac1ae^{\frac{a}2\pi}\sin\frac{b}2\pi-\frac{b}a\int_0^{\frac{\pi}2}e^{ax}\cos bxdx$
$= \frac1ae^{\frac{a}2\pi}\sin\frac{b}2\pi-\frac{b}aI(a, b)$
であるので,
$I(a, b) = \frac1ae^{\frac{a}2\pi}\cos\frac{b}2\pi-\frac1a+\frac{b}a\left(\frac1ae^{\frac{a}2\pi}\sin\frac{b}2\pi-\frac{b}aI(a, b)\right)$
$I(a, b) = \frac1ae^{\frac{a}2\pi}\cos\frac{b}2\pi-\frac1a+\frac{b}{a^2}e^{\frac{a}2\pi}\sin\frac{b}2\pi-\frac{b^2}{a^2}I(a, b)$

$\left(1+\frac{b^2}{a^2}\right)I(a, b) = \frac1ae^{\frac{a}2\pi}\cos\frac{b}2\pi-\frac1a+\frac{b}{a^2}e^{\frac{a}2\pi}\sin\frac{b}2\pi$
$\frac{a^2+b^2}{a^2}I(a, b) = \frac1ae^{\frac{a}2\pi}\cos\frac{b}2\pi-\frac1a+\frac{b}{a^2}e^{\frac{a}2\pi}\sin\frac{b}2\pi$

$I(a, b) = \frac{a}{a^2+b^2}e^{\frac{a}2\pi}\cos\frac{b}2\pi+\frac{b}{a^2+b^2}e^{\frac{a}2\pi}\sin\frac{b}2\pi-\frac{a}{a^2+b^2}$.

(2)
加法定理より
$\sin\alpha\sin\beta = \cos(\alpha-\beta)-\cos(\alpha+\beta)$
であるので,
$J(a, b, c) = \int_0^{\frac{\pi}2}e^{ax}\sin bx\sin cxdx$
$= \int_0^{\frac{\pi}2}e^{ax}\{\cos(b-c)x-\cos(b+c)x\}dx$
$= \int_0^{\frac{\pi}2}e^{ax}\cos(b-c)xdx-\int_0^{\frac{\pi}2}e^{ax}\cos(b+c)xdx$
$= I(a, b-c)-I(a, b+c)$.

(3)
加法定理より
$2\sin\alpha\sin\beta = \cos(\alpha-\beta)-\cos(\alpha+\beta)$
$2\cos\alpha\cos\beta = \cos(\alpha-\beta)+\cos(\alpha+\beta)$
であるので
$8\sin tx\sin2tx\cos3tx\cos4tx = 2(\cos tx-\cos3tx)(\cos tx+\cos7tx)$
$= 2\cos tx\cos tx+2\cos tx\cos7tx-2\cos3tx\cos tx-2\cos3tx\cos7tx$
$= \cos0+\cos2tx+\cos6tx+\cos8tx-\cos2tx-\cos4tx-\cos4tx-\cos10tx$
$= 1-2\cos4tx+\cos6tx+\cos8tx-\cos10tx$
であるので,
$\lim_{t\to\infty}8\int_0^{\frac{\pi}2}e^x\sin tx\sin2tx\cos3tx\cos4txdx = \lim_{t\to\infty}\int_0^{\frac{\pi}2}e^x(1-2\cos4tx+\cos6tx+\cos8tx-\cos10tx)dx$
$= \lim_{t\to\infty}\left(\int_0^{\frac{\pi}2}e^xdx-2I(1,4t)+I(1,6t)+I(1,8t)-I(1,10t)\right) = (*)$
である.
ここで, (1) より
$\lim_{t\to\infty}I(1,nt) = \frac1{1+n^2t^2}e^{\frac{\pi}2}\cos\frac{nx}2\pi+\frac{nt}{1+n^2t^2}e^{\frac{\pi}2}\sin\frac{nt}2\pi-\frac1{1+n^2t^2}$
であり,
$-\frac1{1+n^2t^2} \le \frac1{1+n^2t^2}\cos\frac{nt}2\pi\le\frac1{1+n^2t^2}$
$-\frac{nt}{1+n^2t^2} \le \frac{nt}{1+n^2t^2}\cos\frac{nt}2\pi \le \frac{nt}{1+n^2t^2}$
であり,
$\lim_{t\to\infty}\frac{\pm1}{1+n^2t^2} = \lim_{t\to\infty}\frac{\pm\frac1{t^2}}{\frac1{t^2}+n^2}$     $\lim_{t\to\infty}\frac{\pm nt}{1+n^2t^2} = \lim_{t\to\infty}\frac{\pm\frac{n}{t}}{\frac1{t^2}+n^2}$
$= \frac{\pm0}{0+n^2} = 0$,     $= \frac{\pm0}{0+n^2} = 0$
であるので, はさみうちの原理より
$\lim_{t\to\infty}\frac1{1+n^2t^2}e^{\frac{\pi}2}\cos\frac{nx}2\pi = 0$,     \lim_{t\to\infty}\frac{nt}{1+n^2t^2}e^{\frac{\pi}2}\sin\frac{nt}2\pi = 0$,    \lim_{t\to\infty}\frac1{1+n^2t^2} = 0$
であるので,
$\lim_{t\to\infty}I(1, nt) = 0$
である.
これより,
$(*) = \lim_{t\to\infty}\int_0^{\frac{\pi}2}e^xdx$
$= \biggl[e^x\biggr]_0^{\frac{\pi}2}$
$= e^{\frac{\pi}2}-1$.


東北大学・理系(2017年)

昨日もちょっと書いた、新型リーフの話。
昨日の仕事終わりに、ひとっ走り行きつけの日産へ行ってきました。

そこの店舗は、配送屋が何を間違えたのか、営業店が休みだと勘違いして配送に来なかった、と。
で、配送屋に電話をして持ってきて貰った直後に私が到着した、と。

まあ、私としては無事に入手できたので問題なかったのですが、奥で1人、怒り気味に電話していましたね・・・

発売日が10月2日らしいですが、試乗するのが楽しみですね。





今日は、東北大学の第5問。
1つ前のカリキュラムではやってなかった複素数。
正確には、数学IIで、「こんなのもあるよー」くらいにやってたのですが。

で、複素数の計算の問題。
ただただ力技で計算するだけ、って感じでした。





$\alpha$, $\beta$, $\gamma$ を複素数とし,
$z\overline{z}+\alpha z+\beta\overline{z}+\gamma = 0 \cdots(*)$
を満たす複素数 $z$ を考える.
以下の問いに答えよ.

(1) $z$ は
$(\alpha-\overline{\beta})z-(\overline{\alpha}-\beta)\overline{z}+\gamma-\overline{\gamma} = 0$
を満たすことを示せ.

(2)
$|\alpha|=|\beta|\neq0$ と仮定し, また $\gamma$ は負の実数であると仮定する.
このとき, $(*)$ を満たす $z$ がちょうど $2$ 個あるための必要十分条件を
$\alpha$, $\beta$ を用いて表せ.




---解答例---

(1)
仮定より
$z\overline{z}+\alpha z+\beta\overline{z}+\gamma = 0$
$z\overline{z}+\overline{\alpha}\overline{z}+\overline{\beta}z+\overline{\gamma} = 0$
この $2$ 式の差をとると,
$\alpha z+\beta\overline{z}+\gamma-\overline{\alpha}\overline{z}+\overline{\beta}z-\overline{\gamma} = 0$
$(\alpha-\overline{\beta})z-(\overline{\alpha}-\beta)\overline{z}+\gamma-\overline{\gamma} = 0$
より成り立つ.

(2)
$\gamma<0$ より $\overline{\gamma}=\gamma$ であるので, (1) より
$(\alpha-\overline{\beta})z-(\overline{\alpha}-\beta)\overline{z} = 0$
$(\alpha-\overline{\beta})z = (\overline{\alpha}-\beta)\overline{z}$
$(\alpha-\overline{\beta})z = \overline{(\alpha-\overline{\beta})z}$
となる.
これより, $(\alpha-\overline{\beta})z$ も実数である.

case.1. $\alpha=\overline{\beta}$ のとき,
$z\overline{z}+\alpha z+\overline{\alpha}\overline{z}+\gamma = 0$
$z(\overline{z}+\alpha)+\overline{\alpha}(\overline{z}+\alpha)+\alpha\overline{\alpha} = -\gamma$
$(z+\overline{\alpha})(\overline{z}+\alpha)+\alpha\overline{\alpha} = -\gamma$
$|z-\overline{\alpha}|^2+|\alpha|^2 = -\gamma$
$|z-\overline{\alpha}|^2 = -|\alpha|^2-\gamma$
$|z-\overline{\alpha}|^2 = \sqrt{-|\alpha|^2-\gamma}^2$
である.
これは $z$ は $\alpha$ を中心とする半径 $\sqrt{-|\alpha|^2-\gamma}$ の円を表す.
これを満たす $z$ は無限に存在するので不適.

case.2. $\alpha\neq\overline{\beta}$ のとき, $(\alpha-\overline{\beta})z=r$ とおくと,
$(\alpha-\overline{\beta})z = r$
$z = \frac{r}{\alpha-\overline{\beta}}$,
$\overline{z} = \frac{r}{\overline{\alpha}-\beta}$
である.
これより
$\frac{r}{\alpha-\overline{\beta}}\frac{r}{\overline{\alpha}-\beta}+\frac{r\alpha}{\alpha-\overline{\beta}}+\frac{r\beta}{\overline{\alpha}-\beta}+\gamma = 0$
$r^2+\{\alpha(\overline{\alpha}-\beta)+\beta(\alpha-\overline{\beta})\}r+\gamma(\alpha-\overline{\beta})(\overline{\alpha}-\beta) = 0$
$r^2+(|\alpha|^2-|\beta|^2)r+|\alpha-\overline{\beta}|^2\gamma = 0$
ここで $|\alpha|=|\beta|$ であるので
$r^2+|\alpha-\overline{\beta}|^2\gamma = 0$
$r^2 = -\gamma|\alpha-\overline{\beta}|^2$
ここで,

$z$ がちょうど $2$ 個ある $\iff$ $r$ がちょうど $2$ 個ある

が成り立つので,
$\alpha-\overline{\beta} \neq 0$
$\alpha = \overline{\beta}$
を得る.

東北大学・理系(2017年)

本日、9月6日。
日産リーフの新型が発表されました。

進路指導部の会議が終わってからその事に気が付いたので、直ぐに検索したのですが・・・

噂では、バッテリー容量が今までの $30$ kWh から $60$ kWh に倍増する、と言われていたのですが、結果は $40$ kWh という数字になっていました・・・
なんか、半端な気がするのですが・・・
航続可能距離が $400$ km になる、って事でしたが、これもカタログでの距離でしょうから、実際はどうなるのか・・・
私の乗っている $24$ kWh のモデルで、カタログでは $228$ km なのですが、実際に私が乗ってての感覚では $150$ km 程度(エアコンを常時使ってたり、職場が山の上にあったりと影響が多いですが)なので、割合としては、

$\frac{228}{150}\doteqdot 65\%$

となっているので、この割合でいくとしたら、

$400 \times 65\% = 260$

より、$260$ km 程度となる、って事ですよね・・・
まあ、技術革新とか色々あって、この $65\%$ というのが向上しているだろうけど、仮に $80\%$ だとすると $320$ km となるわけです。
うーん、思っていたよりも、厳しいですね・・・




東北大学の4問目。
幾何ってラベルを付けましたけど、ベクトルだけでも解けるので、必要はないのですが、使った方が断然楽なので。
メネラウスの定理とチェバの定理って、忘れられそうランキングの第2位タイの定理(当社調べ、1位は方ベキの定理)ですが、使うとすごく便利なんですよね。






$s$ を正の実数とする. 鋭角三角形 $ABC$ において, 辺 $AB$ を $s:1$ に内分する点を $D$ とし, 辺 $BC$ を $s:3$ に内分する点を $E$ とする.
線分 $CD$ と線分 $AE$ の交点を $F$ とする.
以下の問いに答えよ.

(1) $\overrightarrow{AF}=\alpha\overrightarrow{AB}+\beta\overrightarrow{AC}$ とするとき, $\alpha$ と $\beta$ を
求めよ.

(2) $F$ から辺 $AC$ に下ろした垂線を $FG$ とする.
$FG$ の長さが最大となるときの $s$ を求めよ.



---解答例---

(1)
メネラウスの定理より
$\frac{\mathrm{AD}}{\mathrm{DB}}\times\frac{\mathrm{BC}}{\mathrm{CE}}\times\frac{\mathrm{EF}}{\mathrm{FA}} = 1$
$\frac{s}{1}\times\frac{s+3}{3}\times\frac{\mathrm{EF}}{\mathrm{FA}} = 1$
$\frac{\mathrm{AF}}{\mathrm{FE}} = \frac{s(s+3)}3$
を得るので,
$\overrightarrow{AF} = \frac{s(s+3)}{s(s+3)+3}\overrightarrow{AE}$
$= \frac{s(s+3)}{s(s+3)+3}\times\frac{3\overrightarrow{AB}+s\overrightarrow{AC}}{s+3}$
$= \frac{3s}{s^2+3s+3}\overrightarrow{AB}+\frac{s^2}{s^2+3s+3}\overrightarrow{AC}$
より $\alpha=\frac{3s}{s^2+3s+3}$, $\beta=\frac{s^2}{s^2+3s+3}$.

(2)
$\triangle\mathrm{XYZ}$ の面積を $S_{\triangle\mathrm{XYZ}}$ と表すことにする.
$S_{\triangle\mathrm{AFC}} = \frac{s(s+3)}{s^2+3s+3}S_{\triangle\mathrm{AEC}}$
$= \frac{s(s+3)}{s^2+3s+s}\times\frac{3}{s+3}S_{\triangle\mathrm{ABC}}$
$= \frac{3s}{s^2+3s+3}S_{\triangle\mathrm{ABC}}$
であり, FG が最大になるとき, $\triangle\mathrm{AFC}$ の面積も最大になるので, $f(s)=\frac{3s}{s^2+3s+3}$ も最大となる.

$\frac{d}{ds}f(s) = \frac{3(s^2+3s+3)-3s(2s+3)}{(s^2+3s+3)^2}$
$= \frac{-3s^2+9}{\left\{\left(s+\frac32\right)^2+\frac34\right\}^2}$
$= \frac{-3(s^2-3)}{\left\{\left(s+\frac32\right)^2+\frac34\right\}^2}$
である.
分母は常に正であり, $\frac{d}{ds}f(s)=0$ となるのは $s=\sqrt3$ である.
これより, 増減表を作成する.

$
\begin{array}{c||c|c|c|c}
s & 0 & \cdots & \sqrt3 & \cdots \\
\hline
\frac{d}{ds}f & & + & 0 & - \\
\hline
f & & \nearrow & f(\sqrt3) & \searrow
\end{array}
$

これより, $s=\sqrt3$ のとき最大となる.




東北大学・理系(2017年)

先週のLHRの時間に面談をした。
その中で、警察官になるための勉強は何をしたらいいのかと聞かれ、まずは書店で問題集なり参考書なりを買って、それで勉強してみろ、と言ったのだが・・・

勤務校の、良くも悪くもある点、生徒の殆どが寮生。

更には毎日部活をしているので、書店に行く暇がない。
とはいえ、この手の買物は、自分で見て、これならできそうだ、ってものを見つけないと、無駄遣いになってしまうものですから・・・

そう思っていたら昨日のSHRで、生徒から「今日はオフになりました」と。
そんなわけで、書店巡りに行ってきました。


ただ、勤務校のある市の市内の書店って、そんなに大きい書店はないような・・・
って事で、隣の市まで連れて行きました。

書店を巡って、改めて気が付いた事なのですが・・・
高卒の警察官用って、そんなに出てないんですね・・・
大学の書籍部ではいっぱい見たけど、それは(当然ですが)大卒用であり、需要が高い場所だったからあったわけで・・・

一応、これで勉強してみる、って事で1冊買ってましたので、あとはどれだけ自分でできるかですね。





今日は東北大学の第3問。
整数の問題なのですが・・・

なんか、場合分けをしまくって、力技で無理やり解いた感が強いのですが・・・
他に、スマートな解法がありそうな気がするんですよね・・・




$a$, $b$, $c$ を $1$ 以上 $7$ 以下の互いに異なる整数とする.

(1) $2$ 次方程式 $ax^2+bx+c=0$ が有理数解をもつような組 $(a, b, c)$ の
総数を求めよ.

(2) $2$ 次方程式 $ax^2+bx+c=0$ が少なくとも $1$ つの整数解をもつような組
$(a, b, c)$ の総数を求めよ.



---解答例---

(1)
有理数解をもつ為には, 判別式 $D$ が 平方数となることが必要十分条件である.
$D = b^2-4ac$
であるので, $1\le a\le7$, $1\le c\le7$, $a\neq c$ より $4ac\ge8$ であるので, $b^2\ge9$ 即ち $b\ge3$ である.

case.1. $b=3$ のとき,
$9-4ac = 1$
$4ac = 8$
$ac = 2$
より $(a, c)=(1, 2)$, $(2, 1)$ を得る.

case.2. $b=4$ のとき,
$16-4ac = 4$
$4ac = 12$
$ac = 3$
より $(a, c)=(1, 3)$, $(3, 1)$ を得る.

case.3. $b=5$ のとき,
$25-4ac = 1, 9$
$4ac = 24, 16$
$ac = 6, 4$
より $(a, c) = (1, 6)$, $(2, 3)$, $(3, 2)$, $(6, 1)$, $(1, 4)$, $(4, 1)$
を得る.

case.4. $b=6$ のとき,
$36-4ac = 4, 16$
$4ac = 32, 20$
$ac = 8, 5$
より $(a, c) = (2, 4)$, $(4, 2)$, $(1, 5)$, $(5, 1)$ を得る.

case.5. $b=7$ のとき,
$49-4ac = 1, 9, 25$
$4ac = 48, 40, 24$
$ac = 12, 10, 6$
より $(a, c) = (2, 6)$, $(3, 4)$, $(4, 3)$, $(6, 2)$, $(2, 5)$, $(5, 2)$,
$(1, 6)$, $(2, 3)$, $(3, 2)$, $(6, 1)$ を得る.

以上より, 有理数解をもつ組 $(a, b, c)$ の総数は
$2+2+6+4+10 = 24$.

(2)
(1) のうち, 整数解をもつ組を調べる.

case.1. $b=3$ のとき,
$x = \frac{-3\pm\sqrt1}{2a}$
$= -\frac1a, -\frac2a$
より, $(a, b, c)=(1, 3, 2)$, $(2, 1, 3)$ となるので, $2$ 組である.

case.2. $b=4$ のとき,
$x = \frac{-4\pm\sqrt{4}}{2a}$
$= \frac{-2}{2a}, \frac{-6}{2a}$
$= -\frac1a, -\frac3a$
より, $(a, b, c)=(1, 4, 3)$, $(3, 4, 1)$ となるので, $2$ 組である.

case.3. $b=5$ のとき,
$x = \frac{-5\pm\sqrt{1}}{2a}$     $x = \frac{-5\pm\sqrt9}{2a}$
$= \frac{-4}{2a}$, $\frac{-6}{2a}$     $= \frac{-2}{2a}$, $\frac{-8}{2a}$
$= -\frac2a$, $-\frac3a$     $= -\frac1a$, $-\frac4a$
より, $(a, b, c)=(1, 5, 6)$, $(2, 5, 3)$, $(3, 5, 2)$, $(1, 5, 4)$, $(4, 5, 1)$
となるので, $5$ 組である.

case.4. $b=6$ のとき,
$x = \frac{-6\pm\sqrt4}{2a}$     $x = \frac{-6\pm\sqrt{16}}{2a}$
$= \frac{-4}{2a}$, $\frac{-8}{2a}$     $= \frac{-2}{2a}$, $\frac{-10}{2a}$
$= -\frac2a$, $-\frac4a$     $= -\frac1a$, $-\frac5a$
より $(a, b, c)=(2, 6, 4)$, $(4, 6, 2)$, $(1, 6, 5)$, $(5, 6, 1)$ となるので $4$ 組である.

case.5. $b=7$ のとき,
$x = \frac{-7\pm\sqrt{1}}{2a}$     $x = \frac{-7\pm\sqrt{9}}{2a}$     $x = \frac{-7\pm\sqrt{25}}{2a}$
$= \frac{-6}{2a}$, $\frac{-8}{2a}$     $= \frac{-10}{2a}$, $\frac{-4}{2a}$     $= \frac{-12}{2a}$, $\frac{-2}{2a}$
$= -\frac3a$, $-\frac4a$     $= -\frac5a$, $-\frac2a$     $= -\frac6a$, $-\frac1a$
より $(a, b, c)=(2, 7, 6)$, $(3, 7, 4)$, $(4, 7, 3)$, $(2, 7, 5)$, $(5, 7, 2)$,
$(1, 7, 6)$, $(2, 7, 3)$, $(3, 7, 2)$, $(6, 7, 1)$ となるので $9$ 組である.

以上より, 少なくとも $1$ つの整数解をもつような組 $(a, b, c)$ の総数は
$2+2+5+4+9 = 22$.

東北大学・理系(2017年)

先日、ドローンを買ったと書いたのですが、そのドローンを午前中、飛ばしてみました。
ちょっと使って、風に煽られることも多かったですが、それなりに面白いと思っていた矢先に・・・

突然、コントロール不能に陥り、どんどん勝手に上昇し、見えなくなってしまいました・・・
あぁ、私の7286円が・・・


まあ、こうなってしまった以上、今更後悔しても仕方ないので、気持ちを切り替えて、次はどんなドローンを買おうか・・・
えぇ、諦めていませんけど何か??




本日は東北大学の第2問。
旧帝大のくせに(失礼な言い方)、確率だけの問題です。
まあ、条件付き確率ではありますが、確率単品で出てくるって、あまりないような気がするんですよね・・・





A 君と B 君はそれぞれ, $0$ から $5$ までの数字が $1$ つずつ書かれた $6$ 枚の
カードが入った箱を $1$ つもっている.
$2$ 人は, 自分の箱の中から無作為に $3$ 枚のカードを取り出して得点を競うゲーム
をする.
取り出された $3$ 枚のカードに $0$ が含まれていない場合の得点は $3$ 枚のカードに
書かれた数の平均値とし, $0$ が含まれている場合は残り $2$ 枚のカードに書かれた
数の合計とする.
このとき, 次の問いに答えよ.

(1) A 君, B 君の少なくとも一方が $0$ を取り出して, しかも双方とも得点が $3$ 点と
なる確率を求めよ.

(2) A 君の得点が B 君の得点より大きいときの, A 君の得点が整数ではない確率を求めよ.



---解答例---

(1)
$0$ を含まないで $3$ 点となるとき, $3$ 枚の組み合わせは $(1, 3, 5)$, $(2, 3, 4)$ の $2$ 通り, $0$ を含んで $3$ 点となるとき, $3$ 枚の組み合わせは
$(0, 1, 2)$ の $1$ 通りである.

よって, 求める確率は
$\frac{2\times1+1\times2+1\times1}{({}_6\mathrm{C}_3)^2}$
$= \frac{5}{20^2}$
$= \frac1{80}$.

(2)
確率分布を調べる.
得点 $X$ の確率を $P(X)$ とすると
$0$ を含まないとき,

$
\begin{array}{c||c|c|c|c|c|c|c}
X & 2 & \frac73 & \frac83 & 3 & \frac{10}3 & \frac{11}3 & 4 \\
\hline
P(X)\times{}_6\mathrm{C}_3 & 1 & 1 & 2 & 2 & 2 & 1 & 1
\end{array}
$
$0$ を含むとき,

$
\begin{array}{c||c|c|c|c|c|c|c}
X & 3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 \\
\hline
P(X) \times {}_6\mathrm{C}_3 & 1 & 1 & 2 & 2 & 2 & 1 & 1
\end{array}
$
以上より, $X$ の確率分布は

$
\begin{array}{c||c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c||c}
X & 2 & \frac73 & \frac83 & 3 & \frac{10}3 & \frac{11}3 & 4 & 5 & 6 & 7 & 8 & 9 & 計 \\
\hline
P(X) \times 20 & 1 & 1 & 2 & 3 & 2 & 1 & 2 & 2 & 2 & 2 & 1 & 1 & 20
\end{array}
$

同点となる確率は
$\frac{1^2+1^2+2^2+3^2+2^2+1^2+2^2+2^2+2^2+2^2+1^2+1^2}{20^2}$
$= \frac{38}{400}$
$= \frac{19}{200}$
であるので, A 君の得点が B 君の得点より大きい確率は
$\left(1-\frac{19}{200}\right)\times\frac12 = \frac{181}{400}$
であり, A 君が非整数の得点で B 君の得点より大きい確率は
$\frac{1\times1+2\times2+2\times7+1\times9}{20^2} = \frac{28}{400}$
$= \frac7{100}$
であるので, 求める条件付き確率は
$\frac{\frac7{100}}{\frac{181}{400}} = \frac{28}{181}$.

東北大学・理系(2017年)

昨日、昨年度勤務していた学校の、数学科の歓送迎会がありまして、仕事終わりに(正確には10分ほど早く脱走して)参加しました。

実家から通ってた昨年度の勤務校だったので、歓送迎会の会場も実家のある市町村内。
色々と、だいぶ愚痴みたいな現状報告などをしてきました。

終わってから、温泉に行く予定だったのですが、盛り上がり過ぎて、とっくに温泉の入館時間を過ぎていまして・・・
仕方なく、温泉は諦めて、久しぶりにガストに行ってきました。
ガストで、山盛りポテトとドリンクバーを注文し、ずっと喋り続ける・・・
なんか、高校生みたいなことをしていましたが・・・

私は普段、炭酸水を飲んでいまして、ドリンクバーでも炭酸水を飲むのですが・・・
ガストの炭酸水、結構炭酸が強くていいですね。


そのまま実家に泊まり、昼過ぎに温泉に行ってから、日産で充電。
暇つぶしにX-TRAILの試乗をしてから帰ってきたのですが、ちょっと気になることが・・・


以前もちょっと書きましたが、私は寮監をしています。
で、ある部活の顧問もしているのですが、その部活の部員からLINE電話がありまして・・・
部員A「今、どこにいますか?」
私「今、地元にいる。どうした?」
部員A「部員Bが買いたいモノがあるって言ってるのですが、大きくて自転車では買ってこれないので乗せていってもらえませんか?」

もう、この時点で可怪しいとは思ったのですが・・・
この部員Bも私のLINEアカウントを知っているので、用件があるのであれば、直接言えばいいのに、何故部員Aからの電話なのか・・・
Bの方がどっちかと言うと真面目で、Aの方が調子のいい性格をしている、っていうことを踏まえると・・・


寮に戻ってくると、出てきたのはA、Bの他にもいて、部員が4人。
私「何を買いに行くの?」
部員A「あっ、いや、買い物はもう大丈夫なんで、◯◯のイオンまで送ってもらえますか?」


結局、最初からそういう目的だったわけでしょう。
顧問の1人として、甘やかすのはダメだという人もいるかも知れませんが、私は息抜きも必要だと思っています。
特に、遠方から来て寮で生活しているのだから、自分の練習時間とかの管理が出来ているなら、息抜きの為なら送って行くのですが・・・
実際、前にも同じイオンまで送ってあげたのですが・・・

なんか、そんな嘘までついて、って思うと、なんですかね・・・






さて、京都大学の問題も終わったので、今日からは東北大学に挑戦です。
ラベルでは微分積分(数学II)を設定しましたが、接線を求めるだけなので、微積は使わなくても解けるのですが・・・





$a$, $b$ を実数とする. $y=|x^2-4|$ で表される曲線を $C$ とし, $y=ax+b$ で表される直線 $l$ とする.

(1) $l$ が点 $(-2, 0)$ を通り, $l$ と $C$ がちょうど $3$ つの共有点をもつような
$a$, $b$ の条件を求めよ.

(2) $l$ と $C$ がちょうど $3$ つの共有点をもつような点 $(a, b)$ の軌跡を $ab$ 平面上に図示せよ.






---解答例---

(1)
直線 $l$ が点 $(-2,0)$ を通るので
$0 = -2a+b$
$b = 2a$
が成り立つ.

$C$ と $l$ は $(-2, 0)$ を共有点としてもつので, この他に $2$ つの共有点をもつ条件を考える.

直線 $l$ は
$y = ax+2a$
である.



グラフより, $3$ つの共有点は, $(-2, 0)$ と $-2<x<2$ の範囲に $1$ つと $2<x$ の範囲に $1$ つである.
$y = -x^2+4$
$\frac{d}{dx}y = -2x$
より, $x=-2$ における $y=-x^2+4$ の接線の傾きは $4$ であるので, $0<a<4$ を得る.

以上より
$b = 2a$  ($0<a<4$)
である.

(2)
$l$ と $C$ が $3$ つの共有点をもつには,
(a) $(-2, 0)$ を通るとき
(b) $(2, 0)$ を通るとき
(c) $-2<x<2$ のときに接するとき 
$3$ 通りがあり得る.

(a) のとき, (1) より
$b=2a$  ($0<a<4$)
である.

(b) のとき, (1) と同様に
$b = -2a$  ($-4<a<0$)
である.

(c) のとき, $x=t$ $(-2<t<2)$ における接線の方程式は
$y-(-t^2+4) = -2t(x-t)$
$y = -2tx+(t^2+4)$
より
$
\begin{cases}
a = -2t \\
b = t^2+4
\end{cases}
$
であるので,
$b = \left(-\frac12a\right)^2+4$
$b = \frac14a^2+4$  ($-4<a<4$)

以上より, 点 $(a, b)$ の軌跡は以下の通り.


ただし, 端点 $(0, 0)$, $(4, 8)$, $(-4, 8)$ は除く.